東へ西へ

 昨日は楽しかったのじゃ。
 午前中は岡崎市民会館で開催された邦楽祭に出掛ける。馴染みの料理屋の女将が三味線を引くので、大向こうから声を掛けに行ったのだ。
「待ってました!」「○○屋!」「三代目!」
 仕事を終えて、後は邦楽に身を任せてうとうとする。これが極楽、一週間のストレスが消えていくようじゃ。
 ふと時計を見れば、もう正午である。午後は名古屋で論語塾、大慌てで市民会館をあとにして、簡単な食事を済ませると、JRに飛び乗った。

 論語塾の教室には午後1時55分、滑り込みセーフだった。午後2時、呉先生の講義が始まる。
「君子は徳を懐(おも)い、小人は土(ど)を懐う。君子は刑を懐い、小人は恵を懐う。」
「君子は義に喩(さと)り、小人は利に喩(さと)る。」
 声を出して本を読むという習慣がないから、皆で一緒に音読するとこれがなかなか楽しい。
「朝(あした)に道を聞かば、夕べに死すとも可なり。」
 およよ、このフレーズ、どこかで聞いたことがありますぞ。思い出した!寅さんシリーズで、墓参りをする寅次郎に大滝秀治扮する住職が、このセリフを言っていた。この言葉を切っ掛けにして寅さんは学問に目覚め、柴又で大騒動が始まるのである。そんなことを考えていたら、久しぶりに寅さん映画が観たくなったわい。
 午後4時25分、論語塾終了、メンバーの皆さんと話がしたかったけど、地元で宴会が入っていて、泣く泣く三河に戻った。そのまま宴会に突入し、いつまで呑んでいたのか、どうやって帰ったかも記憶になく、気がつけば午前4時だった。