凸凹大会議

 6月の大きな会議、ワシャの出番は終わった。1時間の質問時間があるんだけれど、ちょうどタイムカウンターが0になったときにすべての発言を終えることができた。これってけっこう難しくてね、今回13人の発表者がいたんだけど、カウンターが0になったのは2人。ワシャ以外の1人は、時間切れになってしまって最後のまとめが言えなかった。残り1分と頑張った委員もいたけれど、だいたい数分を残してしまう。10分、13分残しという委員もいて、もったいね~。そんなに余らすならワシャにくれ。10分で2700文字も話せるから、言いたいことをかなり盛り込めるからね。でも1人1時間と決められているから仕方がないんだけど。

 大きな会議は年に4回あるんだけど、ワシャは言いたいこと、語りたいこと、笑わせたいことが山ほどあるので、毎回登壇してきっちり1時間を使っている。しかし、委員の中には年に1回登場するのがやっとという人もいて、それも執行部側に「質問もつくってくれ」という程度の問題意識しか持っていないのは悲しい。

 ワシャは今回、2つのテーマで質問した。多い人で5つも6つもテーマを語る人がいるが、6つだと1テーマに10分しか割けず、質問と答弁で半分にしたら5分しかない。5分では質問の要旨を語って、強調すべきところを強調し、鋭く切り込んでいくには物足らないどころか、まったくなにも語れません。

 ワシャは今回、「組織論」を45分にわたって展開したが、その冒頭は新選組の話から入った。たまたま社員が地元のお祭りの法被を着ていたので、それを冷かして「なんだか新選組の壬生の屯所に紛れ込んだみたいです」と始めたのだ。そこから本論に入って執行部とのやり取りをして、社長にはかなり厳しいことを指摘したりした。

 ただワシャも大人なので(笑)、あからさまに社長の不出来を攻撃したりすることはなく、いわゆる「褒め殺し」という手法を随所に織り込んで、暗に叱ったつもりである。

 しかし、ワシャの出番後の休憩時間に、何人かの古参の委員から「今日のワシャさんの社長批判は厳しかったねぇ」と言われたくらいだ。ワシャ的には随分と抑制したつもりだったが、色に出たか(笑)。 組織論の後半は、2人目の副社長の登用の話をした。現在、凸凹商事は副社長が1人で回しているのだが、これが同規模の会社ですとね、対外2人制をとっているんですわ。ところが凸凹の社長は後継者をつくらない方針なのかしりませんが、とにかく2人目の副社長を起きたがらない。 それを揶揄してね、1時間の最後のところで、もう一度新選組の話を出した。

新選組は、もともと副長は複数いたんです。総長という肩書の副長もいた。しかし途中から土方歳三の1人が副長になってから、組織としておかしくなったと思っています。そして幕末の風雲の中、新選組は滅んでいきました」

 と結んだ。社長は嫌な顔をしていたが、ホントにそうなんだから仕方がない。副長に権限を集中すると組織は硬直化する。そんなことは当たり前ですな。

 翌日なんだけど、会議に同席していた委員の一人からこう聞かれた。

ワルシャワさん、社長にゴマすってんの?ワルシャワさん、社長派だったっけ」

 ワシャはひっくり返ってしまいましたぞ。「皮肉」とか「暗喩」とか「褒め殺し」って理解できないのかなぁ。こんなのが委員で大丈夫かいな・・・と思った次第である。