素晴らしき送別会(続き)

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 その後、PTAが作った校長先生へのビデオレターが上映されたが、これが泣けた。7年間の教え子たちが、それぞれ校長先生の思い出を語るのだ。今まで幾つもの送別会に出てきた。それこそ100回では収まらないほどである。しかし、こんな感動的な送別会はなかった。それほど素晴らしかった。
 ビデオレターの後半には、千葉の息子さんがお嫁さんと生まれたばかりのお孫さんが登場する。
「父は教育に命を賭けていました。だから僕が小さい頃は母子家庭のような状態でした」
「食事のときは、父だけが胡坐で、母と僕と妹は正座するんです」
「テレビはNHKしか見られないんです」
 仕事に没頭する頑固オヤジのエピソードを披露され、最後にこう付け加えられた。
「そんな父を尊敬しています」
 ビデオレターの中の3人が笑っている。そして校長先生は目の辺りをさりげなく押さえられた。

 余談だが、ワシャは感動して号泣したのだった。