平成16年の4月、地震・災害対策のプロジェクトチームが立ち上がった。この時に出先の営業所から呼び戻されてそのチームの一員に加えらた。発足当時は総務課の片隅にある本棚の隙間のようなところでたった3人でのスタートだった。
その年は災害が多かった。6月から立て続けに10個の台風が本土に上陸をして大騒ぎだった。10月20日には、台風23号が高知県土佐清水市に上陸し、紀伊半島から岐阜県、長野県と本州を横断して死者・行方不明者90人を数える。大惨事といっていい。そして24日に台風の大雨で緩みきっている新潟県中越地方の山々を大地震が襲った。「新潟県中越地震」である。発足したばかりのプロジェクトチームはこれらの対応でてんやわんやだった。
新潟県中越地震のわずか4日後、ジャーナリストの日垣隆さんのメルマガで緊急告知があった。TBSラジオの対談番組「サイエンス・サイトーク」の公開収録参加者を募集するというものである。対談相手は災害情報の権威、東大の廣井教授だ。これは聞き逃す手はない。あわてて応募をして上京した。
対談は面白かった。その内容はまたの機会に譲ることにするが、収録後に少しだけ日垣さんとお話する時間があった。その時に、「3人の社員で災害対応をしている」ことを申し上げると「中越地震級の災害が地元で発生したら死にますよ」と心配そうに言われたことを思い出した。
あれから3年半が経過し、プロジェクトチームはこの4月の編成替えで正式な課としてスタートを切る。3人だったチームは8人になり、社の幹部連中も防災にようやく理解を示してくれるようになった。ここまで育てるのがどれだけ大変だったか……ようやく死なずに済みそうなところまで持ってきたのに、「今度の4月から新プロジェクトを立ち上げる。そのチームに参加するように」と、あっさり人事部から言われてしまった。
また、新しいプロジェクトかよ。
今、ちょこっと疲労感を味わっている。再び4月から賽の河原の石積みを始めるわけだ。今度のテーマは「環境」である。ワシャはどちらかと言えば「地球温暖化懐疑論者」なのだが、こんな男が環境施策を打ち出せるのだろうか?
はてさて新しい年度はどういう展開になりますことやら。面白いことがあったらご報告しますね。