昨日、表題の処置をするために総合病院に行く。午後2時45分、再診受付機を通って、整形外科の窓口に受診表を出す。すでに予約が入れてあるので、すぐに診療室に案内されて、血圧を測定する。130−95、そんなところか。
血圧を測り終え、看護婦さんにロッカーが10本ばかり並んだ更衣室に連れて行かれた。
「ここで検査着に着替えてください」
そう言われて、看護婦さんから前合わせ膝下丈の検査着、グレーのアンダーシャツ、そしてブルーのでかいバミューダーのような紙製パンツ、大きなビニールの袋を受け取る。パンツまで替えるのか……
「ちびるほど痛いんですか?」
と、恐る恐る尋ねると、看護婦さんは笑ってこう答えた。
「治療中に消毒液で下着が汚れる可能性がありますので、このシャツとパンツを使用してください」
少しほっとした。
渡された検査用使い捨てパンツを見ると、お尻の方に大きな開口部がある。それを上から縦20cm、横40cmの前垂れ(この場合は後垂れ)で隠しているのだ。
ワシャはコーデュロイのジャケットを脱ぎハンガーに吊るしてロッカーに収めようとすると、看護婦さんが制止した。
「着ているもの、持っているものは全てこのビニール袋に入れてください。治療をすると少しの間、歩行が出来ません。処置後は車椅子で診療室に移動します。その時、着衣を運びやすくまとめておいてください」
「靴もビニール袋の中に入れるんですか」
「靴はロッカーに入れてスリッパに履き替えてください」
「ふわ〜い」
「準備が出来たら、処置室の前の待合室で椅子に座ってお待ちください」
「は〜い」
ワシャはジャケット、ズボン、ネクタイ、ワイシャツ、下着、財布、本などを透明なビニール袋に詰めて脇に抱え、靴だけロッカーに入れて鍵を掛けた。
そして、スリッパを鳴らして丈の短い検査着姿で更衣室から出て、指示のあった待合室に向う。う〜む、検査着がアッパッパーなのと、紙パンツの後ろがまるっきり開いているので、かわいいお尻がスースーしますぞ。
待合室では暇なので大きなビニール袋から本を出して読書をする。本は、内田百?閨w(「門構えに月」という字が出ないんだね)『阿房列車』(ちくま文庫)。10ページも進まないうちに、看護婦さんに名前を呼ばれて処置室に入ったのだった。
「神経に直接針を刺すんですから、むちゃくちゃ痛いですよ」
と先生が言ったぶっとい注射が2本、トレーの上で光っている。キラ〜ン。
「ひええええ」
注射嫌いのワルシャワくんの運命や如何に。(つづく)