人間ドックは楽し?

 祝!天長節
 
 昨日、人間ドックに行ってきた。
 隣町のT病院に毎年一度通っている。あまり行きたくはないのだが、社内の健康管理部門の担当がうるさいので行かざるをえない。
 同じ市内にK総合病院がある。そこのほうが近いのでそちらに行けばいいようなものだが、K総合病院は胃の検査の時に、痛い注射をすると聞いた。ワシャは注射が飛行機の次に嫌いなのじゃ。だから、胃の検査の時に注射のないT病院にしたというわけ。
 でも、あとで聞けば、その注射は断ることができるという。だったらK総合病院でもよかった。しかし、すでにT病院に10年通っている。ワシャの検診結果の蓄積があるわけだから、まぁ、車で20分(朝は出勤ラッシュに巻き込まれ30分)ほどのことだから良しとしよう。

 自宅を午前7時10分に出る。病院着は7時40分、受付で番号札をもらう。「5番」だった。去年は「67番」だったので、かなり早い。受付開始の8時までロビーのソファーでしばし待つ。40人くらいは座って待てるだろうか。その広いロビーに先客は、もちろん4人いる。大型のテレビが点いていたので、4人とも所在なげにテレビを見ていた。ワシャはテレビから一番離れたソファーに陣取る。本を読むのにうるさいからね。
 新書を2章ほど読んだら、受付が始まった。受付は5か所あるので、トップで受付を済ませ、ロッカールームに向かう。ここからが、人間ドック名人と言われたワルシャワの腕の見せ所だ。素早く快適に人間ドックを終了する秘訣を伝授しよう。

 ロッカールームに入ると、入り口のところに置いてある検査着の上下を取る。格好が悪いのでサイズは間違えないでね。そこから100ほどならぶロッカーの一番手前にある9番を選ぶ。ここがポイントである。不必要に奥の方まで入っていく御仁がいるが、別に一番手前だって外から見えるわけじゃない。スペースを広く使える場所のほうがいいと思うが、まぁ、奥で小さく着替えたい人もいるんでしょうね。
 ワシャは、狭いのは嫌なので、もっとも広く使える一番手前を取る。ロッカーの横には三人掛けのソファーがあり、そこはワシャの荷物置き場になるし、靴ベラもすぐ手がとどく位置にある。ゴミ箱だって並んでいる。
 まず、ソファーに、鞄、受診表、検査着を置く。次に、ロッカーを開く。ハンガーが2本と靴を入れるトレーがある。
 受付でくれた新品のスリッパをビニール袋から出す。ビニール袋はゴミ箱へ。そのスリッパを床に並べ、靴を脱いでその上に足を置く。足を置くだけで履いてはいけない。まず、靴をトレーに入れる。そして、おもむろにズボンを脱ぐ。ズボンをハンガーに掛ける。それから、上着だ。それをロッカーに吊るし、次にシャツを脱ぎ、2本目のハンガーに掛ける。ソファーに置いた検査着を着て、ここでスリッパを履く。それから、鞄をしまって、ロッカーに鍵を掛ける。受診表を取り、3人が同時に使える大きなドレッサーコーナーの前を通過するついでに、シャツを脱ぐときに乱れた髪の毛を直す。完璧だ。一瞬の隙もない。無駄のないゴルゴ13のような動きである。
 ドアを出て、ハッと気がついた。待ち時間に読む本を持ってくるのを忘れましたがな。大あわてで、ロッカールームにドタドタと本を取りに戻った。その際に、後から出てきたオッサンと鉢合わせするわ、積んであった検査着は崩すわ、大騒ぎの体である。ちっとも素早くないのであった。やれやれ。(続く)