篠山の名品

 今回の丹波篠山でヒットだったものがある。パンだ。熊猫ではない。パンだ。「丹波の老舗 小西のパン 創業明治二十六年」とプリントされた袋に黒豆パンが3個入っている。これをお土産としてもらった。名物に美味いものなしと言うが、このパンには驚いた。しっとりとした生地に大粒のやや甘味を抑えた丹波黒豆がこれでもかというほど入っている。パンのモチモチ感と豆のふっくらとした歯ざわりがたまりませんぞ。通信販売してくれるとのことなので、早速、注文しておこうっと。
 もう一つ、黒豆煮の「大粒丹波黒」も絶品だ。ワシャは今までの人生で煮豆なんぞ食う気も起こらなかった。おせちの中に入っていたって箸をつけたことがない。幕の内弁当に並んでいれば隅に除けてしまうくらいだ。そんな黒豆嫌いのワシャが口にして、二袋目を開けてしまったくらいだから本当に美味しい。
 3つ目は赤味噌仕立てのボタン鍋である。ワシャは三河八丁味噌で育ってきたので、赤味噌というだけで顔がほころぶ。しかし、その分だけ味には厳しい。同席した地元の方にきくと、赤7白3くらいの割合で造るのだそうだ。汁だけを飲んでみる。ううう、絶妙の味だ。コクの底に少量の酸味が混じっている。その味噌の風味のおかげでイノシシ独特の臭みがない。煮込まれた肉は口の中で溶けるようになくなってしまった。満足満足。