電車の中

 昨日、名古屋駅前で「能」の仲間と旧交を温めた。ミッドランドスクエアの中にある店で、北海道釧路産の仙鳳趾牡蠣が美味かったですぞ。身が大粒でね、強い甘味、濃厚なコク、これをもみじおろしとネギでいただきました。

 

 夕方に仕事が終わってから名古屋に出たんですが、その途中のJRの中で面白いことが起きたんですよ。ワシャは3両目の前の入口から入った。シートが進行方向に向かって縦に並んだタイプの車両で、入り口脇のシートの前には板が付いている。ワシャはその通路側が空いていたのでそこに納まった。ほどほどの混み具合で、概ねシートは埋まっている。でも立っている人はいなかった。ワシャの隣はサラリーマン風の男性で、iPadを見ていたので、ワシャも鞄からiPadを取り出して、メールのチェックなどをやり始めた。刈谷の手前くらいだった。後方から大声が響いた。

 

「ばかやろう、なにしていやがる!」

「てめえ、なめてんのか!」

「いいかげんにしろよ、このやろう!」

 

 立て続けに野太い男の声。一斉に車両が凍りついた。

 ワシャの隣りのサラリーマンは、iPadを抱えたまま、なにかそわそわし始めた。しきりに後ろをうかがったりしている。

 ワシャはというと、そのまま冷静にiPadでメール確認を続けた。なにか起きれば、この日記のネタにすればいい、くらいにしか思わなかったんで。

 

 刈谷駅でどっと人が入ってきて、ワシャの横の通路にも人が押し寄せた。かなり混んできたなぁ。次の大府駅でも人が乗ってきて、ほぼすし詰め状態となった。

 でね、ワシャの横の通路にミニスカートのオネーチャンが押し込まれてきた。そしてシートの肘掛けからせり出すような格好で窮屈そうに立つはめになっている。まさにワシャの顔の真横にスラリとした太腿が2本あるんですぞ。首を振れば、触ってしまうくらいの至近距離だわさ。なんだかいい匂いもするし~。

 これは困った。車内で怒鳴り声を上げるオッサンなんかどうでもいい。突っかかってきたら張り倒すだけのことだ。しかし、純情なワシャの鼻の先に、若い女性の太腿を並べられると、こいつはちょっと恥ずかしい。もうiPadから顔が上げられないのじゃ。首も動かせないし、iPadを指で操作していたんだけど、指をあんまり不自然に動かすのも不自然だし(なんのこっちゃ)。

 名古屋駅に着くまでめちゃめちゃ緊張しましたぞ。汗もびっしょりとかいてしまったし。ホームに解放され、大きな息をついたのだった。やれやれ。