リーダーとは

 他所の国の、それも大統領予備選の話だからどうでもいいことなんだが、ちょこっとだけ思うところを言いたい。
 ヒラリー・クリントン上院議員は喜怒哀楽が激しすぎる。前日に涙ぐんだかと思えば、一夜明ければ顔の半分を口にして呵々大笑しているではないか。目もいっちゃってるし。朝日新聞の異常な表情の写真を見て背筋が寒くなった。

 かつてイギリスに鉄の女と言われた首相が登場した。マーガレット・サッチャー氏である。サッチャーとヒラリーを比較するとずいぶん見劣りがする。『サッチャー回顧録』(日本経済新聞社)に16ページにわたってサッチャー氏の写真が載っている。久しぶりにご尊顔を拝したが、この女性の沈着冷静な目は凄い。国連総会で演説した時の寸鉄人を刺すような目は威厳がある。そして、ほとんどの写真が笑っているのだが、それらはすべて微笑であり慈愛に満ちたものだった。今、思い返してもサッチャー氏の馬鹿笑いを思い出せない。
 こうしてみるとヒラリー氏はサッチャー首相と言うより、田中真紀子氏に類似しているように思える。言動、行動、表情を垣間見る限り、アメリカあるいは世界を統べていくトップリーダーとしては、少しばかり心もとないような気がする。

 君子、喜怒を慎むべし。