88歳のおばあさんが南足柄市に10億円の寄付をしたそうじゃ。あるところにはあるもんじゃのう。ワシャの生涯賃金が2億円くらいのものだろうから、5回生まれ変わって飲まず食わずで働き詰めに働いて、ようやくこのおばあさんと同様の寄付ができるわけだ。やれやれ。
この美談を例の幇間山本のプレゼンスで見た。そのせいもあるのかもしれないが、どうもすっきりと感動しなかった。きっと貧乏人のひがみなんでしょうね。でもね、なぜかあざといものを感じてしまったんですな。
まず、現金10億円を机の上に積み上げてはいけない。多分、市側にお調子者がいて、「せっかくだから10億円積み上げてプレス発表しましょうよ」と言ったんでしょう。小切手1枚で済むところを、大騒ぎになってしまった。10億円の調達だって、その輸送だって尋常ではあるまい。「節約したお金を有効に使って欲しい」と言う割に、そういったところに無駄な経費が掛かっていることをこのおばあさんは気がつかない。ここが金持ちの金持ちたる所以だろう。
もう一つ、寄付をするなら外部に対しては匿名とするべきだった。新聞記者を集めて大々的に発表するのではなく、市側にそっと申しこんで市長室で市長にそっと渡せばいい。寄付をしたという事実は市政が続く限り残っていくだろうし、寄付そのものの見返りを求めるものでない以上、どこに報道されなくともご自身は満足なはずだ。
この2点をクリアすれば完璧だった。
それでもさ、同じ金持ちでも六本木ヒルズ辺りで夜な夜な札びらを撒き散らして狂乱を繰り返している成金どもにくらべれば100万倍は素敵だ。欧米では社会に多額の寄付をする金持ちが多いが、どうして日本の金持ちはせこいヤツが多いのだろうか。ワシャが金持ちなら10億円でも20億円でも寄付するのだが、ああ残念(笑)。