ワシャのよく知る人物に、地元の市役所に勤めている男がいる。その人、イズミダイの刺身が好物なので、仮に「ティラピア」くんと呼ぶ。
ティラピアくんは市役所の防災担当なので、地震雷火事台風が趣味のワシャとよく話をする。
昨日も近所の居酒屋で一緒に飲んでいたら、ティラピアくんが言う。
「国土交通省が職員用の食料を大量に備蓄したことが、昨日、テレビで流れていました」
あ、そう。
「自分たちが食べるための食料を税金で購入するって、やっぱり国の役人たちは甘いですよね」
そうかい?
「私たち、末端行政の者は、備蓄食料があれば、もちろん最優先で住民に供出します。少なくとも市町村の防災担当者に、公費で購入した備蓄食料を住民に手渡す前に自分たちの口に入れるという発想はありません」
ほう……
「長岡市の防災担当者の話ですが、3日間、不眠不休で災害対応をして、お握りを口にしたのは3日目だったそうです」
そりゃぁ大変だ。
(下に続きます)