災害対応についての対話 その1

 先日、知人から「ワルシャワさん、どうして東北の災害現場に入らないの?」と尋ねられた。
ワシャ「3年前までは防災の担当部署にいたんですが、今は異動して他の部門で仕事をしていますから、声が掛からないんですよ」
知人「でも、防災担当だったときに、ものすごく勉強していたじゃないですか。中越能登の現場にも入っているし、ワシャさんが、今回の災害対応をするのが一番いいと思うけれど……」
ワシャ「今でもワシャが地域で一番、災害や防災に精通していると自負をしておりますぞ、エッヘン」
知人「だったらあなたが対応にあたったほうがいいんじゃないですか」
ワシャ「それがダメなんです。我が社の災害部門には別のリーダーが配置されています。彼らがその業務を担っているわけですから、出しゃばるわけにはいきません」
知人「その人たちは、災害現場を知っているんですか?」
ワシャ「いえ、彼らは災害現場を知りません。中越能登などの現場を知っているスタッフはみんな異動で替わってしまいましたから」
知人「災害現場を知らない人が、災害現場に入って情報収集などできるものなんですか?」
ワシャ「それなりの情報収集はできると思います。ただ、やっぱり勝手がわからないでしょうから、ここを見てこなければいけないというポイントを外す確率は高くなると思います。そして、やはり災害に対する高い知見を持っていたほうがいい情報を集めることができると思います」
知人「リテラシーのない人間が災害現場に入っても意味がないということですか?」
ワシャ「それは何につけても言えることではないでしょうか。今の防災部門のリーダーが300冊とは言いませんが、なるべく多くの災害関連の書籍を読み、基礎的な知識を醸成した上で現場に入っていると信じたいです」
知人「(苦笑)」
(下に続く)