犬の名前と狸汁

 このところ灰色の脳髄が鈍磨していたが、久々に聴くアカデミックな講演に目から鱗どころか鰓蓋(えらぶた)が外れましたぞ。なごや博学本舗の大番頭セコ道さん
http://sekomichi.vox.com/
のお誘いで「鈴木朖(あきら)学会講演会」に参加した。ワシャ的には、恥ずかしながら「鈴木朖って誰やねん」というレベルなのじゃ。仕方がないので『国史大辞典』を調べましたがな。
 ふむふむ、江戸時代後期の国学者儒学者なのね。尾張藩士で藩校の明倫堂教授並、本居宣長の門人でもあり、言語学に大きな成果を残した人らしい。書棚に、子安宣邦本居宣長』(岩波新書)があったので読んでおいたのだが、講演会では宣長の話なんてほとんど出なかった。その程度の知識では歯が立たない。
 それでも「鈴木朖」という人物が時枝誠記(もとき)という東大の教授に見出されて、国語学史に名を残したということだけは理解できた。
 その時枝教授の教え子が今回の講演会の講師尾崎知光愛知県立大学名誉教授である。尾崎先生の講演を拝受して、もう一つ解ったことは、鈴木朖にしろ時枝誠記にしろ尾崎先生にしろ、皆さん、とてつもなく頭がおよろしいのね、ということである。アホがアホを再認識できただけでも収穫だった。
 そんな中、ホッとする質問が聴講者から出た。
鈴木朖のあきらという字はどういう意味があるんですか?」それまでがアカデミックに進行していただけに、この突拍子もない質問に会場はざわめいた。先生が戸惑っていると、質問者は続けた。
鈴木朖の子孫の方には申し訳ないのだけれども、今度、うちの犬にこの名前をつけようかと思っている」
 これには会場がドッと沸いた。

 講演会終了後、「春爛漫、覚王山散歩」
http://www4.diary.ne.jp/logdisp.cgi?user=427365&log=20070323
でもお世話になったK先生のご好意で、K先生宅を根城にして枇杷島の花火を堪能しようということになった。確かに花火もいい。でもね、なんといっても思想家のK先生の書斎、書庫を拝見できるのが格別に楽しみなのじゃ。

 今日は仕事でこき使われた。ほとんど力か残っておりまへん。う〜む、瞼が自動的に閉じてくる……ということで、K先生宅で盛り上がった「狸汁」の話は、また明日、書きますね。