明敏な人々

 昨日、名古屋で講演会があった。演者は封建主義者で危険な思想家の呉智英さんである。「障害と文化」という演題で2時間にわたる熱演だった。呉さんは、
「福祉関係の講演というと、介護の実務か、専門分野の話か、人生訓話といったところが相場だが、今から話すことは具体的にはいいことは一つも言わない。ストレスが高まるような話になるかもしれないが、将来、やがてストレスをとることになるかもしれない」
 と、前置きされてエキサイティングな話を繰り広げていく。
「九九の七の段が言えない大学生」
「無用の用」
「様々な人間と泥棒さん」
ソメイヨシノと白菜漬け」
「硬直した思考とやせ細った社会」
 などなど、興味深い話が満載で、呉さんの見識の深さを再認識した。
 また、後半には車椅子の市会議員として有名な斎藤まことさんが加わって呉さんとの対談のような展開になった(ラッキー!)。二人の意見が対立するところもあってワシャらとしてはワクワクしながら聴いていたのじゃ。
 聴講者はおおむねオジサン、オバサンだったのだが、若い学生さんが東京と大阪から参加していた。講演後の懇親会でも熱心に呉さんの話に耳を傾けている姿を見て、「日本の若者もまだまだ見捨てたものじゃない」と妙に感心してしまった。たまたまワシャも彼らと話す機会があったので、せっかく呉さんという毒に出会ったのだ。できればもう少し別の毒も知っておいたほうがいいと思ったので、
日垣隆という作家も面白いよ」と、魔の領域に誘いこんでおいた。
 ちなみに日垣さんの公式サイトはこちら。
http://www.gfighter.com/
 日垣さんの著作でお薦めは、『刺さる言葉』(角川oneテーマ21)、『個人的な愛国心』(角川oneテーマ21)、『知的ストレッチ入門』(大和書房)、などがよいでしょう。ワシャは『偽善系』(文芸春秋)ではまってしまいました。
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