床屋の話などどうでもよくなってしまった

 昨日、久しぶりの床屋。予約をして午後から顔を出す。席は3つあるのだが、満席だった。少し待つと、真ん中の席が空いた。そこに案内されて神妙な面持ちで座る。なんで神妙なのかというと、ガマの油ではないけれど、大きな鏡に己の姿を映しだし、じっくりと眺めるなんて機会はワシャの年代の男にはなかなかあるものではない。だから久しぶりに己の顔をしげしげと見つめる。痩せたな。
 ワシャはパーマをかけてもらうので時間が掛かる。いつも2時間余の時間を要す。左隣りの客が入れ替わった。若いニーチャンから70代後半とおぼしき老人になった。老人は「今日の北海道は暑いらしい」とかなんとか二言三言をマスターと交わしていたかと思っていたら、まもなく小さな寝息を立てはじめ、それからじきにいびきをかき始めた。早い!結局、散髪が済み、顔をあたり終わるまで眼を覚まさなかった。うらやましい。よほどワシャよりも健康そうだ。ワシャはというと持ち込んだ文庫を読んだり、床屋の息子とコンビニの売れ筋商品の話をしたりして、うつらともしなかった。
 夜もそれほど睡眠時間が長いわけではないけれど、日中も眠くならない。効率がいいと言えばそうなのだけれど、隣の老人のように爆睡してみたい(笑)。

 今、朝刊が届いたので、紙面を寛げた。およよ!1面の記事下広告に日垣隆さんの新刊の案内が出ていた。待ってました!
 日垣隆脳梗塞日誌』(大和書房)
http://gfighter.net/0004/160521004999.php
「e−hon」で速攻注文した。副題は「病棟から発信!涙と笑いとリハビリの100日間」とある。また、コピーの「酒もたばこもやらない、運動は欠かさず体調万全。――なぜ俺だったのか?」が光る。日垣さんが昨年11月に脳梗塞で倒れた。この一冊は、倒れてから現在までの臨場感あふれるルポルタージュである。これは読まずに死ねませんぞ。次の読書会の課題図書はこれにしようっと。
 闘病中の日垣さん、頑張ってくだされ。