嘘をつくんじゃない

 神奈川県平塚市内のコンビニエンスストアで万引きをしたおっさんのことである。防犯カメラに映し出された盗みのテクニックはなかなか堂に入ったもので、素人さんではないなと思わせる熟達ぶりだ。まず本物の犯罪者と言っていい。
 かつて、このおっさんの妻がアメリカ射殺されるという事件があった。マスコミはこのおっさんが犯人であるとして一大キャンペーンを張り、このおっさんはこの容疑で逮捕されるのだが、証拠不充分で無罪となる。「疑わしきは罰せず」の典型となった。
 でもね、このおっさんの窃盗の巧さもさりながら、コンビニの店員に盗みを指摘されたときの開き直りといい、「また戻る」と言いながらトンズラした行動といい、これだけ嘘を平然とつける男が、なにを主張しても嘘に聞こえるよね。でも、疑わしきは罰せず。

 2月13日に6カ国で合意した共同文書には「60日以内に寧辺の核施設閉鎖と、国際原子力機関IAEA)の査察を受け入れる」と書いてあったはずだ。アメリカは約束を守って「バンコ・デルタ・アジア(BDA)」の資金の凍結を解除した。だが、彼の国は、この状況で平然と約束を破った。こんな政体の言っていることを信用できるわけがない。何を言っても嘘に聞こえてしまうし、きっと嘘しか言わないだろう。彼の国に志士はいないんだろうか。

 15日に三重県伊賀市震度5弱の地震が襲った。その時、おとなりの名張市でゴルフに興じていた今岡伊賀市長は災害対策本部が設置されたにも関わらず、ずーっとゴルフを続け、夜の懇親会にまで出席していた。
 このゴルフ、伊賀市名張市のゴルフ好きのボケ幹部どもが恒例で開催している大会だと言う。震度5の地震は大きな災害である。この緊急時に森喜朗よろしくゴルフに打ち興じていた市長はこう言い訳している。
「状況把握には努めたんだよね。帰るべきか迷ったけど、伊賀市側が全員帰ったら名張市に迷惑がかかっちゃうじゃん」
 嘘を言うんじゃない。迷ったどころか、災害対策本部に一刻も早く駆けつけなければいけない部長たちに午後2時までプレーさせていたというじゃないか。
 この市長、公約に「担当参事設置による横断的な危機管理体制の確立」なんてのを掲げているんだが、これも嘘だよね。