文藝春秋5月号の「同級生交歓」に精神科医で作家の和田秀樹さんが出ていた。弁護士の伊藤芳朗氏、徳島県知事の飯泉嘉門氏と3人並んで笑顔を見せている。ほう、このお三方は灘高校で同級生だったのね。和田さんが灘高というのは有名な話だが、伊藤さんや徳島県知事がお仲間だったとは知らなかった。
あれ?灘高第31回生と言えば、勝谷誠彦さんがいないじゃないですか。確か、和田さんは勝谷さんと同級生でしたよね。このラインナップでどうして勝谷さんがいないんでげしょう。前ページの四条畷高校の同級生は5人並んで写っている。人数的には勝谷さんが増えてもまったく問題はない。何が問題なんだろう。
アホは暫し考えた。アホの考え休むに似たりで、休憩していたのかもしれぬ。
「!」閃いた。和田さんは東大医学部、飯泉さんと伊藤さんは東大法学部なんですね。お顔を拝見していても、秀才君という雰囲気がビシバシ伝わってくる3人様である。
3年前、日垣隆さん主催のセミナーがあって、そこに参加した時のこと、講師に和田さんと勝谷さんが招かれていた。講義の時間帯が違っていたのでお二人が顔を合わせることはなかったが、勝谷さんが講義の冒頭にこんなことを言っていた。
「なんで俺の講義の前が和田なんだ?納得がいかない。和田は、ヤツと俺が同級生だったと言う話をしました?」
生徒が「してませ〜ん」と答えると、笑顔で憤慨しながら、こう続けた。
「ぼくの成績は下から5番目だった。だから授業についていけなくて、することがないから和田くんをはじめとする秀才連中をいじめていた」
なるほど、そういうことだったのか。このお三方は、勝谷さんにいじめられていたんだね。だから勝谷さんと並ぶと顔が引きつってしまうので「同級生交歓」から外したのだろう。事実、和田さんは、そのセミナーで「勝谷くんは苦手だ」と発言していた。
ううむ、確かにお三方は典型的な優等生顔だ。こんなのが教室の隅で
「数学的帰納法の証明のしかたを説明できるかい」
「自然数nについての命題Pが、任意の自然数nについて成り立つことをしめすには……」
「n=kのとき、命題Pが成り立つことを仮定すると、n=k+1のときも……」
とか、話していたら勝谷さんじゃなくとも、ついいじめたくなるから不思議だ。