貧弱な人々

 14日に東国原知事が就任挨拶のために伊吹文部科学大臣を訪問した。その折に宮崎産地鶏を大臣に手渡したのだが、大臣は受け取りを拒否した。
 バカだね〜、この大臣、勉強ばっかりしてきて頭がおかしくなっちゃったのかな?テレビカメラの前で手土産を突っ返したらどうなるのか、国民に自分がどう映るか、ということをイメージできなかった。
 司馬法典にこうある。
東京大学の教授でも、頭にスクリーンのない、(イメージの)浮かばない人はたくさんいるんです。頭は悪くないのでしょうが、イメージは結べない。ジュースがたっぷりあるりんごの人生ではなくて、かすかすのりんごであり、寂しい人生かもしれません」
 昭和13年生まれの68歳の爺さんは、かすかすのりんごだったんですね。ご愁傷様。
 この人の経歴を見ると、秀才校 → 京都大学 → 大蔵省 → 政治家 → 大臣とエリートコースを驀進した。かの失言大臣の柳沢さんも、秀才校 → 東京大学 → 大蔵省 → 政治家 → 大臣という経歴だ。
 おっと、あの松岡屋もちょっと格落ちだが、秀才校 → 鳥取大学 → 農林水産省 → 政治家 → 大臣というルートを歩んでおられる。
 すごい人たちだ。絶対、ワシャには歩めない道だが、このすかすかな連中が上がりだとするなら、歩みたくもない畜生道でもある。
 大臣様たちには、ぜひ子どもたちが、「こういう人になりたい」と思わせるような人材をあてがってくださいよ。人の誠意を突っ返したり、痴呆症のような表情で「産む産む」ばっかり言っていたり、狭い事務所で燃料を焚きすぎて一酸化炭素に脳がおかされちまったおっさんたちのようになりたいと、健全な青少年が思うだろうか。
 一人のイチローを生むために、野球選手を目指す青少年がどれほどの数必要なのか考えてみてよ。裾野が広いから山は高くそびえる。しかし政治家という職業の裾野は狭く、後継者の人材は嫁だったり、娘だったり、威張りたい人だったりと、そんなヤツしか政治家にならない。へんなヤツばっかりだから子どもたちにアピールできないので、裾野は広がらない。ああ、悪循環に陥ってしまう。これでは日本の将来、お先真っ暗ですぞ。桑原桑原。