日本沈没

 詰まらない作品だと聞いていたので、映画館には出かけなかった。でも嫁がDVDを借りてきたので読書をしながら横目で見た。なんと2時間の間に何度も転んでしまった。何なんだ、この映画……
○非常災害対策本部が設置されているにも関わらず、本部長である特命大臣(大地真央)が本部内で、ヘルメットどころか防災服すら着ていなかった。
○日本が急速に引きこまれていくメカニズムについては「メガリス」とか言っていたなぁ。日本列島がのっかっている陸側プレートの先端にプレートが蓄積されて、それが大きくなり限界点を超えるとその重みに耐えられなくなり、一気に日本列島がマントル内に引きずりこまれるのだそうだ。
 豊川悦司演じる博士が、このメカニズムを説明しているシーンでは思わず吹き出してしまいましたぞ。
文化財の仏像を移送するために梱包作業をしているシーンがあったけど、あの梱包は文化財の梱包のやり方ではない。まるで安物の食器でも運ぶようないい加減さだった。
○全国で何千万人という被害が出ているにも関わらず、東京の下町は後半までまったく平和だった。それどころか太平洋側は壊滅しているというのに、主人公の故郷の会津だけは無傷だ。それどころか避難民もいない。あり得ない。
○「日本列島の沈没を食い止めるには、日本列島を引きずり込むプレートの縁辺を切ってしまえばいい」と、突然、博士が言い出した。はてさて千島海溝、日本海溝、相模トラフ、南海トラフと続く2000キロ以上のプレートをどうやって切断するのかな?博士の結論はこうだ。プレートの端っこに点々と爆弾を仕掛けて、それを一斉に爆破させる。そうするとプレートにミシン目のように切れ目が入り、そこからちぎれて日本列島はそのまま残るという理論を展開する。
 ここまで来ると、その荒唐無稽さがドラえもん級になってくる。
 こうなったらドラマの設定などどうでもいい。あとは避難誘導、救出救助、医療体制、本部維持、情報収集など防災面の個々の状況を検証しようと思って、目を皿のようにして見たのだが、どこをどう見ても、リアリティの微塵も感じられない。「東宝チャンピオン祭」のラインナップに入れたほうが相応しいような内容だった。
 でも、この作品、日本が嫌いな特定亜細亜の皆さんには、大喝采で受け入れられたとか。そりゃそうでしょ、目障りな東方の国が消滅するんだから、笑いが止まりませんわなぁ。