蜘蛛を助けた

 午前5時起床。
 ワシャは地震対策のために2階を寝室にしている。大地震の時の1階層破壊が恐いのと、本が天上近くまで積みあがっているので震度4でもヤバかろう。
 そんなことはどうでもいい。今、階段を降りてきたときに1階のフロアを黒いものがコソコソコソと移動しているのを見つけた。蜘蛛だ。蜘蛛のほうもワシャに見つかったのがわかったらしい。フロアの真ん中でじっと動かなくなった。しばしワシャと蜘蛛はじっと睨み合っていた。蜘蛛は住居不法侵入だから、ワシャに踏み潰されても文句は言えない。
 しかし、ワシャは「水道の水出しっぱなし」とか「つまみ食い」とか悪行三昧をしてきたので、地獄に行く可能性が高い。2日前の日記にも「地獄に落ちる」と書いている。そうなると蜘蛛ちゃんには愛想よくしておかないと、蜘蛛の糸で助けてもらえなくなるからね。だからティッシュペーパーで優しく摘んで庭に逃がしてやったのじゃ。う〜む、これで助けてもらえるわい。
 蜘蛛を逃がしたついでにポストから朝刊をとってきて、早速、目を通す。今朝の「天声人語」は死刑反対を訴えている。
《国内でこのところ、死刑判決が急造している。凶悪な事件が多いためか》
「か」じゃないでしょう。「凶悪な事件が多いためだ」でしょう。
《一方で執行は減る傾向にあり、獄中の死刑囚は100人に達する見通しだ。》
 これは前任の大ボケ法相が「ぼくちん、法務大臣だけど死刑執行にはサインしないもんね」と就任中、わがままを貫き通した結果じゃないか。これが三河出身の代議士だっていうんだからお恥ずかしい限りです。
天声人語」はこう結ぶ。
《死刑はむごい刑に思われてならない。》
 もちろんむごい。できることなら人を殺さず生かして社会のために有用に使うことはできないものかと考える。でもね、死刑よりももっとむごいかたちで被害者たちは殺されているのだ。そのことを忘れてはいけない。
 コラムニストの勝谷誠彦さんが週間文春の記者だった頃に、加害者の実名報道をして物議を醸し出した「女子高生コンクリート詰め殺人事件」を覚えておられるか。いたいけななんの罪もない少女は鬼畜どもに40日間にわたっていたぶられ殺害された。あの少女の味わった絶望は絞首刑の比ではない。
 鬼畜は世間にうようよと蔓延っている。こいつらが何とか犯罪を思いとどまっているのは、刑罰という抑止力が働いているからにほかならない。
 大新聞のコラム、お釈迦様にでもなったつもりか。