NGK

 司馬遼太郎記念館にも行ったが、NGK(なんばグランド花月)にも立ち寄った。いやー、なんば周辺は相変わらず元気ですなぁ。とくに吉本会館周辺の喧しいことといったらありゃしない。吉本興行の従業員の兄ちゃんネエチャンがハンドマイクでがなり立てている。客の誘導をしているのか、客に喧嘩を売っているのかよく判らないぞ。客は指定席券を持っているにも関わらず、たこ焼きの臭いが充満する1階入口の総合センター前の広場に並ばされる。客層は歌舞伎座新橋演舞場と思うとぐっと庶民的で、新宿末広亭や上野鈴本演芸場と比べるとかなりバカっぽい。もちろんNGKの行列の中にいるワシャもアホでっせ。
 ずっと抱き合ったままの若いカップルがワシャの目の前に並んでいる。バカップルの男はスキンヘッドにハンチングを被りパステルカラーのジャージにピンクのチェックのスニーカーを履いていた。酷い色づかいに吐き気がした。似たようなセンスの連中が列の中にもうようよいる。恐るべし……大阪なんば。
 その日のプログラムには、若手からベテランまで8組ほどが並んでいる。吉本の若手はけっこう健闘していた。バラエティでバカをやっている暇があったら劇場で舞台に立ったほうがいい。笑福亭仁鶴は、完成された芸を持っているので安心して笑っていられる。中田カウス・ボタンは、本当にこの二人の会話に台本があるのかと思わせるほど自然な会話だった。西川のりお・上方よしおには期待していなかったが、なかなかどうして見事な漫才を聴かせてもらった。
 新喜劇は小藪千豊が座長だった。辻本茂雄以外に面白い座長はいないと思っていたのだが、やっぱり臨場感が笑わせてくれるんですな。テレビでは絶対に笑わない小藪のギャグに大爆笑してしまいましたぞ。
 う〜む、やっぱり演芸は生に限りますな。