本を読む方法

 昨日、コラムニストの勝谷誠彦さんが日記で《よくトイレで本を読む人がいるが、「大」でしょう。私は「小」の時も読んでいる。》と書かれていた。
 負けた……ワシャは「小」の時にはさすがに読まない。恐るべし活字依存症。う〜む、便強になったわい。
 勝谷さんに比べるとまだまだ甘いが、それでも風呂で読んでいた本の続きを脱衣所で服を着ながら読み、ドライヤーで髪を乾かしながら読んでいる。両手が使えないから、文鎮と大型のクリップを合体させた「文鎮クリップ(略して鎮クリ)」で、本の両側を挟む。そうすると両手はフリーになるからドライヤーを使えるわけですな。でも、ついつい本に集中してしまうとですね髪の毛が「ぶあっちちち!」てなことにもなるんですぞ。

 伝説の古書肆主、反町茂雄のことが、司馬遼太郎の『街道をゆく』に出てくる。
《反町家はシツケのやかましい家だったというが、反町さんの読書のしかたが行儀にそぐわなくても、叱られなかった。食事のときも、食卓に本を置いて読みながら食べ、入浴中も湯船の乾いたふちに本を置き片手だけ濡らさぬようにしてページをめくった。》
 レベルは相当に落ちるが、ワシャ家でも当然そうだ。食事中の読書はむろんのこと、読書中に食事をしても許される。寝ながら読書をしてもいいし、読書中に眠るのも構わない。逆立ちして読んでも何も言われないし、歩きながら読んでも「目を悪くするよ」くらいしか言わない。ただ一つだけご法度がある。トイレの最中に読書をしてもいいが、トイレ以外の所で読書中にちびってはいけない。

 ワシャは本を読むためにいろいろな方法を編み出している。車の運転中に読書をする方法、詰まらぬ会議の最中に読書をする方法、行列に並びながら読書する方法、自転車に乗りながら読書する方法などである。でも、この間、読書中に植え込みに突っ込んでしまったので自転車読書だけは自粛しているのだった。