勝谷誠彦、刈谷に現る

 昨夜、コラムニストの勝谷誠彦さんが愛知県刈谷市で講演をした。演題は「勝谷誠彦が語る!!これからの日本について」である。どんな話になるのか、早速、出掛けましたぞ。

 場所は刈谷市民会館、午後6時開場、6時30分開演、終了が午後8時となっている。会館のキャパシティは1200、これなら座れないということはないだろう。でも、前の方の席を確保したいので、早めに出掛ける。
 市民会館脇の駐車場に5時30分着。予定どおりだ。この時間ならまだそれほど人はいないだろうと高を括っていたが、市民会館前にはすでに行列ができていた。この時点で150人は並んでいる。う〜む、恐るべし勝谷誠彦。あんまり並ぶのが好きではないワシャだったが、本を何冊か持ってきたので、ま、1時間くらいならなんとかなるでしょ。読み始めたのは、勝谷誠彦『美しき日本人は死なず』(アスコム)。
 読書中読書中……
 ふと気が付くと開場待ちの行列はすでに500人を優に超えている。時間は、まだ6時前だ。凄いなこれは。この地域には「三河時間」というものがあって、講演会だとか演説会などにはぎりぎりに集まってくる傾向が多い。時間にケチなのである。それがこの行列とはねぇ。「市民大学講座」始まって以来の人気ではないか。
 少し本をおいて行列を観察してみることにする。
 むむむ、もっと右翼っぽい人が多いのかと思いきや、ごく普通の市民が大多数だ。野良仕事からそのまま顔を出したようなおじいさんやら、買物帰りのおばさんといった人やらが聴講に来ている。
 ワシャの後に並んでいる60がらみの夫婦がしきりに勝谷さんのことを話題にしていた。「TVタックル」「たかじん」などの単語が飛び交っている。それはいいのだが、旦那のほうがずっと「カスヤさん、カスヤさん」と言っている。このおじさん、字が読めないのかな。あまりにしつこいので訂正しようとしたら、奥さんのほうが「カツヤよ、カツヤ」と直した。あ〜良かった。でも、このおじさん、それからも「カスヤさん」と言い続けていた。ま、いいか。

 午後6時を少し回って開場、行列がゆっくりと動きはじめる。ホールに入って最前列を確保する。演題のすぐ前である。
 そこで待つこと30分、定刻となり勝谷さんが下手より登場すると割れんばかりの拍手が起きた。勝谷さんが中央に差し掛かったところで「待ってました」と大向こうばりの掛け声をかけると、勝谷さん、一瞬、「え?」っと驚いて目を泳がせる。しかし、すぐに顔を引き締めて演題のマイクを握った。そこから90分、勝谷節が炸裂し続けるのだった。
(続く)