卑怯者め

 犯罪に上等も下等もないが、それにしても「振り込め詐欺」ほど卑しい犯罪はあるまい。今月中旬、新宿でクズが4匹警視庁に捕まった。バカはバカなりにシナリオを作って、ウィークリーマンションを借りて、振り込め詐欺をやったんでしょうな。だけど元がバカだから、でかい声を張り上げて電話の相手を説得していたんでしょう。隣人にその声を聞きとがめられて、あえなく御用というお粗末な顛末でござい。
 昔は、盗人にも三分の理、といったものだが、こいつらには一毛の理もありませんぜ。鼠小僧次郎吉も「盗人の風上にも置かれめい」と嘆息したことでござんしょう。
 この手の犯罪を「卑怯者の犯罪」と言いたい。

 高木彬光の小説に『白昼の死角』という名作があった。主人公の鶴岡は、優秀な頭脳を駆使して、次々と大会社から金を巻き上げてゆく。もちろん鶴岡は犯罪者だ。その罪は許されるものではないが、少なくともそのターゲットは持てる連中であった。だから庶民にしてみれば、義賊を見るようで小気味いいのである。それが、「振り込め」の連中ときたら、庶民の高齢者や主婦からなけなしの金を騙し取るばかりである。こいつら本物の卑怯者だな。こういう輩はどんどん名前や顔を公表してやればいい。出所してきても卑怯者は変わらないだろうからね。

 岡崎にも卑怯な犯罪者がいた。ホームレスを襲撃し、金を脅し取り、死に至らしめたバカ中坊たちだ。こんな連中を少年法で守らなければいけないんだろうか。