ギンギンギラギラ

 ワシャは曹洞宗なのでクリスマスというものにとんと縁がない。それでも世間ではキリシタンバテレンでもないのに、皆の衆が浮かれ騒いでおる。まぁそれでも子どもたちはプレゼントをもらえたりして嬉しいわけだから、それはそれでいいことにしよう。
 でもね、一点だけ声を上げたい。
「あのイルミネーションはなんなんだ!」
この時期、繁華街から商店街、住宅地から田圃の中の一軒家まで樹木や施設をミニライトでギンギンギラギラに飾り立てている。日本は京都議定書にサインしたのではないのか。クールビズだのウォームビズたの推進しているのはどこの国だっけ。職場ではISO14001とかなんとか言われてさ、ゴミを細かく分別し、毎月毎月、環境対策の書類を何枚も書かされ、暖房は早々と切られてしまうから日が沈んでからは凍えながら仕事をしている。
 なのにこの時期、街じゅう国じゅうギンギンギラギラのイルミネーションだらけだ。これって矛盾していないだろうか。省エネを叫びながら片方では電力を垂れ流している。みんな、不思議じゃないのかな。
 長さ25メートルで点滅なしの200ライトで60Wだそうだ。こればかりのイルミネーションでは大して豪華にはなるまいが、それでも1ヵ月で10kWh程度の電力を食う。1軒の電気料金にすれば200円と僅かな出費でしかないが、これが日本全国津々浦々でキラキラチカチカしているのだ。この電力量の総和たるや……いいのか、これで。
 小さなことからコツコツと電力消費を押さえていかないと、気候の変動はモロに日本を直撃しまっせ。大型台風、竜巻、豪雨、これがみんなイルミネーションのせいだとは言わないけれど、その中の一ファクターではある。
 仏教徒のワシャは静かに真っ暗な12月24日を過ごしている。にも関わらず巻き添えを食うなんておかしいじゃないか。道元禅師なんとかしてくだせい。