アホの併読

 今日時点で併読している本を紹介します。
 今月の課題図書は東野圭吾『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(角川書店)、これは5年くらい前に出た小説ですよね。今秋、映画になったんでまた注目を浴びている。先月の読書会で、この本の推薦があって、皆も「流行に乗ろうじゃないの」ということで課題図書になった。ワシャは小説はあまり得意ではないので、はっき言って気乗りがしなかった。よほどの話題本くらいしか購入しないし……。
 しかし、ワシャの家族は、爺さん婆さんからひ孫にいたるまでみんな本好きで、ワシャ以外は小説も好んで読んでいる。だから、その棚のどこかを探せば大概の話題本は揃っている。カズオ・イシグロ関連の本は息子の書棚にささっていたし、『ナミヤ雑貨店』は母親の本棚にあった。ワシャ自身も、積極的に読まないけれど、どこかの図書館でリサイクル本フェアをやっていた時に、「東野圭吾」だったので1冊引っ張ってきた。それが『ナミヤ雑貨店』だったのである。
 そういった経緯からワシャの家には2冊の『ナミヤ雑貨店』がある。でもね、そんなことは驚くほどのことではなく、司馬遼太郎だとか村上春樹などは同じ本が何冊も転がっている。家族で情報を共有しろって話なんですがね(笑)。
 この本を読書会が近づいてきたので久々に読み直している。2冊あるのでそれらを別々の場所に置いて読んでいる。これを併読というのかどうかは実に怪しいけれど。

 友達のユッキイさんが「文藝春秋」11月号の完読を目指しているとフェイスブックで言っていた。ワシャは「文藝春秋」を毎月買っているが、完読をするという意識がなかったので、それでは一度試してみるかということで、1ページずつ真面目に繰っている。
「文藝春秋」の完読解説はユッキィさんにお任せしておこう。同じことをやってもおもしろくないので、ワシャはそれに対抗して……おおそうだ!ワシャは「週刊ポスト」の10月27日号を熟読解説しようっと。

 先日の読書会で紹介された本も読みはじめた。

山本伊吾『夏彦の影法師』(新潮社)
佐藤優『学生を戦地へ送るには』(新潮社)
浦島匡『おっぱいの進化史』(技術評論社

 ううむ、『学生を戦地へ送るには』は重い一冊ですな。先の大戦中、学生たちに「お国のために死ね」と、最も知的に、最も狡猾に、叩きこんだ哲学教授の講義録を読み解いた秀作である。先の戦争に知識人がどういった関わりあい方をしたのかという一片を知ることも意義のあることであろう。これは真剣に読もうっと。

 新書では、岡田尊司『過敏で傷つきやすい人たち』(幻冬舎新書)を読んでいる。HSP(Highly Sensitive Person)、「敏感すぎる人」という意味だが、HSPを一括りにして論じていいのか、ということが語られ、その多様な症状を洗い出しつつ、それに対する適応、克服の方法を説いている。
 ワシャは一面において過敏な男である。しかし別の面では極めて鈍感な男といっていい。先般、女性の友達何人かと駅のプラットホームにいた。一人の髪に緑色のものが付いていたらしい。女性たちはそれが虫であることに気がついて「キャーッ!」と大騒ぎになった。あわててその緑色の虫をはたいて落した。それがワシャのズボンについてしまったのだ。女性たちはあわててワシャに虫が付いたことを知らせてくれた。
 ある種のHSPであっても、虫についてはHSPではないのだ。虫の佃煮をムシャムシャ食うくらいだからね。そんなわけで、虫がくっついてもまったく動ぜずワシャはズボンの裾をチラと見た。形からするとカメムシだな。ワシャは扇子を出してカメムシをチョンと払った。そんなことを思い出した。
 なにを言いたかったのか忘れてしまったが、要するにためになった本ということである。

 以上7冊の本を併読している。昨日、ある方から拾遺集をいただいた。これも興味のあるものなので早速読まなければいけない。
 これらに加えて、今、机の横に広げてあるのが、『原色日本の美術』、『信貴山縁起絵巻』。NHKテキストの「NHK俳句」の11月号も読んでいる。
 これに加えて、風呂に入る時に手に当った西部邁『どんな左翼にもいささかも同意できない18の理由』(幻戯書房)をつまみ読みしていたので、昨日だけで12冊くらいを手にしている。ワシャは飽きっぽいので、これらの書籍をグルグルと梯子をしながら読んでいるのだった。もちろんテレビを見ている暇はない。