岡崎・女子大生刺殺事件

 平成14年年6月23日、愛知県岡崎市の静かな農村地域で女子大生が刺殺された。普段、事件のないところだったので田舎町は大騒ぎになったのを覚えている。
 3年後の平成17年、20歳(当時17歳)の危痴害が殺人の容疑で逮捕された。「むしゃくしゃしていたので殺した」んだそうだ。
 逮捕時の新聞が手元にある。そこにその男のことを知る人間の証言があった。
《中学3年の時に同じクラスだった岡崎市内の会社員の男性(20)は逮捕を聞き、「ああ、そうかも」と思った。男は、1人でいることが多かったが、「きれたら怖かった」。クラスメートがからかった時に、突然泣き叫びながら殴りかかったのを覚えていると言う。》
 やっぱり、危ないヤツじゃん。

 こいつの裁判が名古屋地裁で行なわれ懲役12年の判決を受けた。そうしたらこの男、量刑を不服として高裁に控訴したというじゃないか。そうか、前途のある女性を殺害したことを悔いて、懲役が12年では少なすぎると気がついたんだね。無期か、いやいや19歳の貴い命を断ったんだ、自らの命で償おうとでもいうのだろう。それならばよし。
 でも、まさか、12年の懲役が長すぎるなんていうヘタレ控訴ではないよね。12年が長いと犯人自身が思っているなら、こいつまったく反省していない。30才で娑婆に出てこようなんて虫がよすぎる。この危痴害に殺された女性は戻ってこないんだ。一生をかけて償うくらいの気概を持たなければ人間にはなれまい。
 非業の死を遂げざるをえなかった女性の無念さに比べれば12年なんてあっという間だ。認識が甘すぎるわい。
日本の論点2007』(文藝春秋)の論点76「犯罪少年の更正は可能か」にフリージャーナリストの奥野修司が寄稿している。興味のある方はぜひご一読を。