年末なのでパソコンの中の整理をしている。書き散らかした文章やダウンロードしたまんまの情報を種類別にフォルダを作って仕分けをしているのだ。それにしても1年の垢というのは膨大なものですな。
たまたま「購入本一覧」というフォルダがあって、その中を整理していて面白いことに気がついた。といってもワシャが面白いだけですがね。
購入した本の記録を取り始めたのが平成9年だった。それから平成14年までの5年間はおおむね年間300冊平均で推移している。まぁ単行本、文庫、新書、雑誌、マンガなんかも全部含めてだから、そんなものでしょうね。
それが平成15年から急上昇を始めるんですな。平成15年541冊、平成16年832冊、平成17年1107冊、平成18年は今日現在1065冊となっている。
「ううむ、なぜじゃ……」と暫し考えこんでしまった。
「!」
結論は簡単だった。平成14年の大晦日に、日垣隆さんのメルマガ『ガッキィファイター』の購読を申し込んだからということなのだ。アホなワシャは「月に100冊以上の本を読む」という日垣さんの影響を受け、「ワシャも読んだるわい!」と発奮して猛読を始めたが、そりゃなかなか上手くいきませんわなァ。そう簡単に月100冊は読めまへんでぇ。
困ったワシャは、平成16年の末に銀座で直接「日垣流読書術」を伝授してもらい、その後、日垣さん主催の「大阪読書会」「東京読書会」に参加してようやく四苦八苦しながらも読書量を増やすことに成功したのだった。めでたしめでたし。
それにしてもこの読書系が1冊の本から派生していることを考えると、本との出会いというのはホントに大切なことだと思う。日垣隆『偽善系』(文藝春秋)を平成12年の11月4日に買っている。この本と出会わなければ、今、ワシャの背後に2.8mの高さでそそり立つ書棚の大半の本は存在しなかっただろう。これが倒れてきたら即死かもしれない。ううむ……本との出会いは恐ろしいのう。
ある意味で『偽善系』はワシャの人生を変えたといっても過言ではない。
日垣さんの最新刊『すぐに稼げる文章術』(幻冬舎新書)に、ショウペンハウエルの『読書について』(岩波文庫)が紹介してあった。当然、ワシャも持っている。その中にこうある。
《だが読書にいそしむかぎり、実は我々の頭は他人の思想の運動場にすぎない。(中略)ほとんどまる1日を多読に費やす勤勉な人間は、しだいに自分でものを考える力を失って行く。(中略)いつでもただちに本に向かうという生活を続けて行けば、精神は不具廃疾となるからである。》
そんなぁ……