卑怯者

 ううむ、21世紀の日本では「卑怯」という言葉はすでに死語になってしまったのか。連日、テレビでも新聞でも卑怯ものたちが山ほど登場してくる。
 昨日の夜のNHKニュースに今春に愛知県内の進学校を卒業したというガキが登場した。このガキはNHKの取材に対して「単位偽装高校のリストの中に自分の卒業した高校が入っていないが、確実にやっている」と自分の内申書まで開示して証言している。
母校の不正を暴く、それはある意味で正しい。しかしこのガキはインタビューに顔を隠し、音声を変えて登場した。自分が卑怯なことをしているということを自覚しているのである。
 このガキ、正義を気取っているが、その行為は母校を、後輩を陥れようとする極めて偽善的な行為である。きちんと顔を出して正々堂々と告発しろよ。ただし自分の内申書も偽装されているのだから、卒業を取り消されても仕方がないということや、同級生や後輩に後ろ指をさされるというリスクはあるけれども、それも背負っての告発なら「潔い男」になったのにね。