さらば、同窓会 その1

 ワシャは出身中学校の同窓会の役員をやっている。平成11年卒業の子どもたちからつきあっているので11年もそんなことをやっていたのね。
 昨日、母校で、新卒業生の同窓会入会式が行われた。もちろん役員のワシャも列席した、というか、同窓会主催なので、ワシャらが全部段取りをして進行も受け持つ。ワシャは毎年決まって司会である。
 式自体は30分弱と短い。中学校の体育館に300人ほどの卒業生が椅子を並べて座っている。そこに校長を始めとする教職員と、同窓会の役員数名が列席する。
「開会の辞」から始まって「校歌斉唱」、その後「同窓会長あいさつ」があって、卒業生を代表して「新入会員誓いのことば」と続く。10年やってきたが、毎年、とくに変わり栄えもなく淡々と過ぎて行く。ところが今年は違った。
 同窓会長あいさつの途中からもぞもぞ動き出す男子生徒がいたんだ。伸びをしたり、首を曲げたり落ちつかない。ちょうど、ワシャの前に座っていたのでジロリと睨んでやった。そうするとガキのくせに生意気にも睨み返してきおった。だが、メンタンを切る(喧嘩をするため、言いがかりをつけるために相手をにらみつける)ことにかけては、ワシャには年季が入っている。負けない。睨み合うこと30秒、中坊はびびって目を逸らした。勝ったぞ。
 しばらくは、その中坊、大人しくしていたが、じきにごそごそし始める。会長の話も長いといえば長いんだけどね。
 その中坊、今度はワシャと目を合わさず、席を立って体育館の後方に向かって歩き出していく。その後姿が、スノーボードの国母そっくりなんですな。頭髪はドレッドヘアーではなかったが、シャツ出し、腰パン、そしてだらだらとした歩き方が見事に国母だった。この国母風の中学生を見て、ワシャの国母に対する同情的な考えを改めることにしたのじゃ。
 2月16日、22日の日記で国母選手について触れたが、ワシャは「公」と「私」の区別がつかず、突っ張っている割りに突っ張りとおすことのできない気弱な若者だと思って許すことにしていた。
 しかし、多くの子どもが国母のだらしない格好や、バカそうな発言に注目していることを忘れていた。ああいう国母を「格好いいじゃん」と思うバカ中学生がいるんだ。ああいう人を小バカにしたような口のききかた、TPOを弁えないファッションを主張することが許されるんだということを満天下に晒した罪は重い。有名人は青少年に悪影響を与えかねない。だから国母、亀田、ダクワドルジにはきっちりとケジメをつけさせる必要があると確信した。
(下に続く)