反省二題

 昔から思っていた。アスリートは頂点にいるとき実に厚顔不遜だ。芸能人でもそうだ。やつらが人気の絶頂にいるとき、その横柄な態度といったらありゃしない。
 でも頂点から転げ落ちると、まるで憑き物が落ちるように人変わりをする。敗北を知って人間的に成長するんだろうね。
 今朝の新聞には、昨夜、保釈された堀江貴文被告の車輪が何枚も掲載されている。その印象だが、随分と灰汁が抜けたように見える。眼が清々しくなった。東京拘置所で人生の敗けを噛み締め、それまであまりやらなかった読書に徹底的に勤しんだ、結果、94日間で200冊を読破したそうだ。よくがんばった。お蔭で、眼から鱗が落ちたんだろうね。いい顔になっている。
 このままいけば、執行猶予付きの判決が出る可能性が高い。ということはこれで完全復帰ということになる。できればこの若者には「金銭至上主義」から脱却してもらって、文化、伝統、道徳、倫理を尊重する良識のある人間になってほしいものだ。
 94日間の臭いメシは、十分に人を変えうる時間である。ことに堀江被告はワシャとは違って優秀な頭脳を持っている。彼の今後の動向に注目したい。

 もう一つ、中津川市の話だ。
 空家で色ガキによる殺人事件が起きたものだから、ヒステリーを起こして「空家はみんな危険だから所有者は適正管理をしなさい!」って条例まで作るんだとさ。ご苦労様。空家があったから殺人事件が起きたんじゃないんだ。包丁を売っていたから刺殺事件が起きるということではないんだよ。空家を使ってエロエロなことをするクソガキは、空家がなければ別の場所を使ってエロエロなことをするだけだってば。根本的な解決にならないことを職員に徹夜させてでも無駄な条例をつくるんだろうね。ご愁傷様。
 1970年にイギリスで制作された『小さな恋のメロディ』を覚えていますか。主人公の小学生ダニエルとメロディが結婚式を挙げたのはパブリックスクール近くの廃屋だったんですよ。でも彼らの物語はピュアな「恋の物語」に昇華し、中津川の色ガキのエロ話は最悪の事件へと発展した。どちらも廃屋でのコトなのだが、全く違う結末になるでしょ。悪いのは廃屋ではなくて、そこに集うガキの程度の問題なんですよ。
 中津川市はアホな条例を制定する暇があったらクソガキの矯正に務めたほうがいい。ま、それは国(文部科学省)の問題なんだけどね。