デスノート

 少年ジャンプの漫画『デスノート』が佳境に入っている。知らない方のために物語をざっと記す。
「名前と死因を書きこむとその通りになる不思議なノートを高校生のライト(名前です)が拾う。試してみると本物だった。高校生は悩むがやがて『腐りきった世の中を正す』ためにそのノートを駆使し犯罪者を大量に抹殺しはじめる。この『キラ』と呼ばれる新世界の神を捕まえるために『L』という犯罪捜査の天才が介入し、お互いの存在を賭けての死闘が始まるのである」
 初代の「L」は「キラ」に殺された。そして世界は「キラ」を受け入れ始める。それでも「L」の後継者「N」たちは地下に潜って「キラ」の捜査を続け、ついに「キラ」を追い詰めるのである。
《地下の倉庫でライトと警視庁の刑事たち、Nとその仲間たちが対峙している。
ライト「そうだ僕がキラだ」
 呆然とライトを見る仲間たち。
 笑うN。
ライト「ならばどうする ここで殺すか?」
 笑うライト。
ライト「いいか 僕はキラ そして 新世界の神だ 今の世界は僕(キラ)が法であり 僕(キラ)が秩序を守っている。これは事実 もはや僕(キラ)は正義 世界の人間の希望 殺すか?それで 本当にいいのか?」
(中略)
ライト「おまえが今 目の前にしているのは キラだが 新世界の神だ」》
 このキラの言い分に対して、Nはこう言います。
《N「いいえ あなたは ただの人殺しです そして このノートは 史上最悪の 殺人兵器です」》
 今週号のジャンプはここで終わっている。さて、作者の大場つぐみはどう結末をつけようとしているのか楽しみだ。

 今朝の新聞一面、朝日は「中2女子絞殺される」、中日は「中津川で中2小所殺害」である。また罪もないいたいけな子どもが未成年危地害の犠牲になった。光市の母子殺人事件の犯人はまったく反省していないし、何の罪もない女子高生をコンクリート詰めにした鬼畜はそのことをネタに人を脅かしていたという。
 鬼畜は増殖し続け、反面、善良な市民はあまりにも無力だ。池波正太郎の『仕掛人・藤枝梅安』ではないが悪を糾す悪も必要ではないかとさえ考えてしまう。
うす甘い死刑廃止論者たちは今回の中津川の少女や、光市の本村さんの奥さんや娘さんたちの無念さを想像してみたことがあるのだろうか。圧倒的な理不尽な暴力の前に蹂躙される人間の絶望を感じたことがあるか。
 ワシャはデスノート「キラ」を完全には否定できない。