今日の読書

 今、谷沢永一の『悪魔の思想』(クレスト社)を読んでいる。たまたま古本屋で購入した何冊かの本の中に紛れていたものだが時宜を得ていた。
《このGHQの目的とするところは、日本が将来にわたって二度と強い国にならぬように、そのため、日本国民の根性を骨抜きにしておくことでした。国家が積極的に充実し、成長することを可能にする電源、それはただひとつ、国民が誇りを持って事に望む“気概”です。ゆえにGHQは、日本国民が気概を持たないように仕向けました。》
《気概の反対、それは卑屈です。GHQは日本を無力な国家とするため、謀をめぐらしました。その結果として、できるだけ日本国民を卑屈な、縮こまった状態に閉じこめようとしました。》
 この状態につけこんだのが12人のサヨク売国奴だったと谷沢さんは言う。こいつらが目指していたことは
《(1)日本がポツダム宣言を発した国によって完全占領をされるのも当然だ、と念を押しておく。
(2)安保反対、米国軍を去らせる。
(3)再軍備反対、自衛隊を消滅させる。
(4)その結果として、日本はソ連に占領される。
(5)そうなれば、日本は共産主義に強制される。
(6)それまで辛抱していたソ連派の頭目が、傀儡政権の長になる。》
 というもので、もしこれが成功していたら、日本は世界でもっとも貧しい国に成り下がっていただろう。よかった、日本嫌いな連中が国家の中枢を占める前に、そのいかがわしさに気づくことができて。ワシャなんかへそ曲がりだから、絶対そんな国では生き残れんわな、ワナワナワナ……
 とにかく東大8、ハーバード大1、京大1というような天下の秀才たちが取り上げられているが、どうしてこんなに頭のよい人たちが愚物に成り下がったのだろうか。
 その答えは結構簡単で、「いかに一世をおおうほどの才智があろうとも、(固定観念に)とらわれた人間は愚物でしかない。」ということなのだ。因みにこの言葉は司馬遼太郎である。