二日酔いの午後

 飲み過ぎたのじゃ。
 頭痛が去り、胸のムカムカが消えたのは昼だった。あまりにも不快なのでテレビを見て気を紛らせようとスイッチを入れると、丁度、「俳句王国」が始まるところだった。
 今日の兼題は「霾」である。読めない。あわてて『日本大歳時記』を持ってきて調べる。「霾」は「つちふる」と読む。語意は「黄砂」のことであり、春の季語なのである。知らなかった……
 ゲストは金田一耕介シリーズの等々力警部役で有名な俳優の加藤武さんだった。そうそう、岩波のPR誌『図書』の3月号に、加藤さんの盟友小沢昭一さんの対談が載っていて、そこには入船亭扇橋さんを宗匠にして月いっぺんの句会を30年続けていると書いてあった。なるほど加藤さんの俳句がお上手なわけだ。
 その加藤さんの俳句の中に、「腹亀」という言葉が出てきた。これも知らない。広辞苑で調べても出てこないし、日本国語大辞典にもなかった。加藤さんがたまたまその語意を「火消しが出初の時に見せる梯子乗りの一つで、一番上の梯子で、腹筋でバランスをとって両手両足を離すという技」と説明してくれたからよかったものの、でなければ随分と悩むところだった。
 でもネットで調べたらすぐに「腹亀」は解りましたぞ。ネット恐るべし。
 豊橋消防団のホームページにありました。上から三つ目の写真が「腹亀」です。
http://www.amitaj.or.jp/~rsuzuki/hasigo.htm#harakame
 それにしてもまだまだ勉強不足だわい。