腰痛伝説(2)

(上から読んでね)
 ようやく仲間の姿を目にしたときには、遭難してから3時間ほど経過していた。やつらは海岸で宴会をしている最中だった。
「ワシャ、どこに行っとたの、ビール、飲んでまったぎゃぁ」
 焼きそばの海苔を歯につけて脳天気な友人がそう言った。まったく心配している様子は窺えない。ワシャ、こんな薄情なやつらと遊んでいたのね。こんなやつらに頼ってなるものか、愛車のコロナバンに乗りこむと、腰が痛い。体を斜めにして慎重に運転をするのだがやっぱり痛い。ボードを取りにいってまた痛い。激痛に耐えながら自宅に戻って、それから1週間は動けなかった。
 仲間たちはこの時のエピソードを「二十五青年漂流記」として永く語り継いでいるのだった。笑い事じゃないのに・・・