勘違いしてもらってはこまる

 今朝の朝日新聞「声」の欄に「応援しようよ外国人力士を」(あ〜、偽善者臭い題だね)という50代の女性からの投書があった。概要は「医院の待合室で外国人力士の活躍を嘆く老人たちや、外国人力士が負けると、拍手と歓声がわきおこる現在の状況を奇異に感じる。言葉も風習も考え方も異なる地で頑張っている彼等にもっと日本人は感謝しなさい」というものである。
 多分、このおばさん、朝青龍白鵬(どちらもモンゴル)のことを言っておられるのだろうが、相撲ファンは、このおばさんのようにバカじゃない(失礼)このおばさんの言うようにバカじゃない。
 確かに朝青龍らが負けると国技館は割れんばかりの歓声につつまれ座布団が舞う。これはね、彼等が外国人だからといって差別しているわけではないんだよ。強者を実力が下位の者が破るから喜んでいるのだ。これを「番狂わせ」という。この「番狂わせ」がなければ相撲の面白味は半減するだろう。
 また琴欧州ブルガリア)や旭天鵬(モンゴル)は外国人とは言え人気がある。平成16年夏場所11日目に旭天鵬朝青龍に勝ったときなど国技館は壊れそうなくらい大歓声につつまれた。
 好角家朝青龍白鵬の国籍が嫌いなのではない。あの強さとふてぶてしさが気に入らないのである。例えば、横綱審議員の内館さんが何度注意をしても、左手のしきりを伝統の右手に変更しようとしないことや、礼に始まり礼に終わる国技にもかかわらず敗者への礼をしなかったりするから嫌われるのである。
 くどいようだが大相撲は国技である。そして日本人の大切な文化である。好角家はその文化に対して不敬な態度をとる力士(それが日本人であろうと外国人であろうと)を嫌うのである。
 医院の待合で「最近の大相撲はつまらない」と話をしていた70代の方々の真意はここにある。