モンゴル横綱不要論

 ワシャは赤ん坊の時に初代若乃花に頭をなでられて以来の相撲ファンである。それ以来、どんな力士が登場しても相撲はおもしろかった。それが平成の半ばくらいからつまらなくなった。モンゴル旋風が吹き始めたからだ。朝青龍横綱になり、白鵬が続いた。日馬富士鶴竜横綱になって上位はモンゴル人に席巻された。このあたりから大相撲は大味になり「勝てばいい」という風潮が蔓延する。
 ワシャは外国人力士だから、モンゴル人だから嫌いなどということを言っているのではない。モンゴル人でも旭天鵬のように繊細な力士は好きだったし、西郷さんのような武蔵丸は大好きだった。
 日馬富士の酒癖の悪さは名古屋でも有名で、7月には金山あたりでもその姿を見かけるが、けして評判はよろしくない。なにか仕出かすだろうとは思わなかったが、「あらまやっちゃったのね〜」とは思った。
 この暴行事件については、朝日新聞でも1面でその詳細を伝えているので、暴力事件自体については触れないが、ちょっと別な切り口から……。
 昨日、日馬富士国技館相撲協会の危機管理委員会の事情聴取を受けた。当然だろう。その聴取に向かう車内の日馬富士をテレビカメラが捉えていた。無精ひげを生やしただらしない表情が窓越しに見えた。
 力士にはゲン担ぎというものがある。勝ちが続くとひげを剃らないということもままあるが、それは土俵上のことである。国技館という相撲の聖地に出向くとき、それも事情聴取という居ずまいを正さなければならない場面での、あの無精ひげはない。横綱としての自覚や矜持をもっているなら、ひげくらいきれいにあたって聴取に臨むべきだ。

 日馬富士鶴竜のいない土俵で気炎を上げているのが白鵬である。品のない相撲でもっか8連勝である。昨日も北勝富士を寄り切りで破った。が、寄り切った後の始末が悪い。そもそもの人間性が貧弱なんだろうなと思わせる。寄り切れば相撲は勝負は終わる。終わればすっと力を抜いて、相手が土俵下に転落しないように体を支えたりすることが相撲の美しさでもある。そんなことは名横綱と言われる力士ではなくとも、遠藤などの平幕力士でもやっていることなのだ。それがこのバカ横綱にはできない。土俵を割った北勝富士を右手で突き飛ばし土俵下に落とすのである。する必要のない無駄な動き、相手に対して非礼な一撃、そして懸賞金を摑めば、ガッツポーズをして土俵から下りていく。観ていてとても見苦しい横綱である。

 基本的にモンゴル人の力士はいらない。