おかしなこと二題 その2

 もうひとつ、不法滞在している外国人に特例で滞在を認める「在留特別許可」を受けられずに国外退去を命じられた名古屋市のイラン人とコロンビア人の夫婦が、名古屋入国管理局に処分の取り消しを求めて裁判で争っている。
 基本的なことを言いたい。まず彼らは冒頭に法を犯している。そのことは厳然とした事実としてあるのだ。そして夫の国(イラン)に行くのは妻がキリスト教徒のために危険すぎ、妻の国(コロンビア)に行くのには夫がスペイン語を話せないので不可能だ、というのである。おいおい、なにか履き違えていないか。どうしても夫婦がその絆を守りたいのなら犠牲にすべきものは犠牲にするべきではないのか?結婚する時だけ形式的にイスラムに改宗したといっているが、それほど家族一緒に暮らしたいのなら妻は信仰を捨てるべきだ。またもうひとつの選択肢として夫が必死にスペイン語の勉強をすることだ。教師は妻がいる。家族の絆のためならどんな勉強でもできるはずである。いくら治安が悪くてもそこで暮らしている人々はいるのである。この夫婦が努力をして暮らしていけないとはどうしても思えない。
 この夫婦はお互いの母国にさえなじもうという努力をしていない。いわんや日本は第三国である。彼らは日本の文化・風習に絶対馴染もうとはしないだろう。正月に神社に詣でて、日本語を話し、日本文化を受け入れようとする外国の方を排除しようというものではない。郷に入っても郷にしたがわず、己の価値観を主張し周囲と軋轢を敢えて招こうとする不法な輩を警戒するのである。
 不正は不正を呼び、不法は不法を呼ぶ。名古屋入管の言っている「退去後、どちらかの国で一緒に暮らせるかどうかについては、夫婦の意思次第」という見解は正しい。こんな話を社会面ででかでかととりあげる朝日新聞はおかしい。