ブルカをかぶる

 今朝の朝日新聞国際面。

《イラン、人権派弁護士に有罪判決「ヘジャブの義務に抗議」を弁護》という記事である。ネットにもあったのでURLを貼っておく。

https://www.asahi.com/articles/ASM375QRKM37UHBI02K.html

 イランの人権派弁護士の女性が、ヘジャブ(髪をおおうスカーフ状のもの)の着用義務に抗議した女性の弁護をしたことで、数十年の禁固刑に処される可能性があるという。

 

 一昨日のことである。事務用品を買うために私鉄沿線のスーパーに行った。文房具売り場を物色していると「ギョ!」とした。真っ黒な物体が突如ワシャの前に現われたからである。目すら見えないブルカを着用した女性(黒い布で全身がおおわれているので性別の判断は不可能だけどね)が立っている。印象としては、「千と千尋の神隠し」のカオナシに出くわしたような感じだった。

 

 もちろん宗教にはそれぞれに決め事があって、それが文化にもなっていくものである。例えば日本だって、藁で編んだ細い紐が張ってあれば、そこから向こうは神域であり、普通の人間は入ってはいけないことになっている。でも、そんなものムスリムの人たちにすれば藁なんか蹴散らせば、その中に入れてしまう。

 だから宗教上の問題は、宗教それぞれであって、なかなか難しい問題なのだが……。でもね、ブルカは日本では明らかに異様だ。同じイスラムでもヘジャブでいい人たちもいる。信仰を捨てよということではないのだ。せめて顔くらい出したらどうなのか?と言いたい。郷に入れば郷に従え。そこまではいわないけれど、ブルカを日常風景として受け入れるには、文化・風土があきらかに違うのである。

 ブルカを着用した女性(だと思う)の前を、間違いなくその夫であるエスニックな男性が歩いていた。見事に軽装である。一昨日は暖かかったけれど、薄手のシャツを腕まくりして歩いている。いくら宗教上のこととはいえ、男性と女性の衣装についてこれほど違うのはいかがなものであろう。言ってしまえば、女性蔑視以外のなにものでもないような気がしてならない。

https://search.yahoo.co.jp/image/search?rkf=2&ei=UTF-8&p=%E3%83%96%E3%83%AB%E3%82%AB

 この姿が、女性の尊厳を尊重しているとはとても思えない。イスラム原理主義者のタリバンが強制したものがブルカだとも聞いている。欧州では治安維持の観点からブルカの禁止も広がっている。

 

 宗教の教義は重要である。しかし、仏教を見よ。どれほど柔軟にその形を変えて、それこそ今では妻帯や肉食ですら認められているところもある。人権派弁護士のソトウデさんの写真のように華やかなスカーフで髪や耳を隠せばいいのではないのか。