やっと終わるかクリスマス

 昨日はクリスマスイブだった。残業の好きなお父さんも、赤提灯の恋しい旦那さんもこの日ばかりはクリスマスケーキを購入していそいそと自宅に帰ることだろう。仏教徒だろうとイスラム教徒だろうとクリスマスをイベントとして楽しむのは、それはそれで構わないと思う。
 しかし問題は過剰なまでのイルミネーションである。なんだか知らないが町中キンキラパッパカピーカピカで光がうるさくてかなわない。日本には資源がないのである。石油や天然ガスは輸入に頼らざるをえない貧しい国なのである。日常の生活に車を使わなければならないとか、朝晩、冷え込んでストーブを焚かなければならないといったことに関してはやむをえない状況として認めざるをえないが、夜中のキンキラには必要性を認めるわけにはいかない。
 人はこう言うかもしれない。「ひと時を楽しむことも大切だ。わずかな電力を惜しむこと、よりも人生を楽しむことを考えよう」
 確かにわずかな電力かもしれないが、これが町中、日本中、世界中となってみなさいよ、大変な電力消費となるし、このためにどれほどの石油・石炭を二酸化炭素に変換したことか。1999年度の石油輸入量を見てみなせい。2億5千万キロリットルもの原油を輸入しているのである。これが毎年でっせ。これはあくまでも日本だけの話で世界では33億1600万トン(1997年数値)になる。こんなに燃やしていたらそりゃぁ温暖化にもなりますよ。台風が次から次へと日本に上陸したのだって、クリスマスにイルミネーションをチカチカやっていることが遠因の一つなのだ。人間はもう少し謙虚にならなければいけない。
 今日はクリスマスで、スケートの日で、蕪村忌である。もうイルミネーションはいらないやね。
「里過て 古江に鴦を 見付たり」蕪村句である。
 ケチな人工の光に感動するのではなく、自然の営みの中に感動を見つけるという日本人の清らなる心はどこへいってしまったのだろうか。