地方の夜明けは遠いのか

 国政レベルでは密室型の腹芸政治というのが減少してきた。例えばその典型は北海道のスーさんだったり熊本の松ちゃんだったりするのだが、情報を公開してはっきりと国民にわかる形で物事を進めて行く政治家の台頭ですっかり影が薄くなってきている。
 でもそういう政治大好き、密室調整大好き親父たちは数が減少しているかというとそうではない。やっぱりどこにでもミニ角栄や地域権力者はいるのである。で、そういう野心オンリー政治家はどうするかというと、人的レベルの高い国政の場では何もせず、ただ地域での箔をつけるためだけに籍を置くのみで、ひたすら何もせず、そのかわり地元に戻って「俺様は参議院議員様だ。おまえら地方議員は俺様にひれ伏せ」とばかりに地域絶対者になってしまう。これがやっかいだ。
 地方の首長なんて誰でもできるからいいようなものだけれども、この首長が参議院議員様や衆議院議員様の言うなりに決まってゆく。そこには住民の意向や思いといったものは一切反映されない。瀕死の小渕さんの病室で、小渕さんの死を前提として次期首相を決めたあの密室の図式を地方へと持ちこんでいる。
 名古屋市はまだいい。河村さんが名乗りをあげたので、密室で松原さんを担ぎ上げ様としていた一部の議員どもが大騒ぎとなった。ビートたけしの番組で知名度がある河村さんが登場することによってマスコミが動き始めたからだ。少なくとも市長選に対して名古屋市民は注目をする。密室おやじどももマイクを向けられてとりあえず衆人監視のなかでなにかを言わなければならないのである。ほんの少しだけだけれども市長選に関する情報は公開された。
 だがその他の自治体は残念ながら「残念!」だ。
 概ね無投票のところや自公民推薦候補VS共産党候補なんて自治体は間違いなく密室おやじが夜な夜な暗躍している。
 国レベルでの刷新は早いと思うが、情報公開だの透明性のある政治だのというのが地方にまで波及することはなかなか難しい。あと100年かかるのではないか。