不安はつのっていくばかり

 一昨日、河村名古屋市長率いる「減税日本」が名古屋公会堂で、1800人を集めて決起集会をおこなった。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120906-00000005-mai-soci
 当初は、国会議員5人を集めて、国政政党としての発足式も兼ねる予定だったが、河村ミャーミャーさんの調整不足で、こっちのほうはお流れとなった。昔からこの人、詰めが甘い。
《政党要件である所属国会議員5人を満たすめどが立ったとして7日に政党化を発表し、その後に改めて次期衆院選の候補者を公募、全国で100人程度の擁立を目指す方針を示した。》
 トップがミャーミャーさんで、所属国会議員が小林興起氏のようなロートルで、脇を固めるブレーンが、今日も新聞紙上を賑わす河合優名古屋市議会議員(除籍されたけどね)程度の連中では、足元すらおぼつかない。この程度の集団が、国政を担当できる力量を有する人材を100人も集めることは不可能だろう。蓋を開けたら横峯や磯谷クラスのバッタモノというのでは、取り返しがつかないぞ。
 それでも、決起集会の参加者インタビューでは、「河村さん国を変えてもらわないといけないから!」と熱烈なラブコールを送るオバサンがいたが、こんなのが1800人くらい名古屋にはいるんでしょうね。豚もおだてりゃ木に登る。河村さんが、調子こいて大騒ぎする根底には、こういった有権者の無責任な行動にも一因があるような気がする。
大阪維新」と合流する東国原氏も、「河村さんと連携するのはいかがなものか?」と疑問を呈していた。まぁ東国原氏も、それほどの人材ではないので、目くそ鼻くそだが、その東国原氏からも見捨てられている河村さんってどうよ、という話。
 決起集会でキャーキャー言っているのは、とち狂ったオバサンだけというのが心もとない。
 河村ミャーミャーさんには『おい河村!おみゃぁ、いつになったら総理になるんだ』(KKロングセラーズ)という迷著がある。内容はスカスカだから15分もあれば読めてしまう。言っていることは、毎度おなじみの「減税」「議員特権の剥奪」などなど。
 この中で図らずも吐露しているのが、かつて民主党に在籍していた当時、代表選に出たくて仕方がなかったのだが、20人の推薦人を集めることができずに断念した、ということである。
《河村さんのように政策一本で勝負しとる一匹オオカミにはメチャメチャきついシステムなのだ。》
 自分のことを「さん」付けで呼んでいるのもいかがなものかと思うが、ここではひとまず置いておく。
「政策一本」「一匹オオカミ」とミャーミャーさんは言うけれど、国政政党の党首になり、いずれは一国の宰相まで登りつめようとする大政治家が、「減税」政策一本やりでは駄目でしょう。政治というものは、そんなに単純ではないし、トップが単純に割り切ろうとしてもできるものではない。政治とは多種多様多岐多分野にわたるものだということを知ることから始めようね。
 名古屋市役所にいる知人は、「河村市長は楽でいい」と言う。それは、自分の好きな政策以外には興味を示さないから、ほぼ役人の思いどおりになる。要するに官僚主導で施策を実施できるということである。
 こういったタイプが総理になったとしてごらんなさいよ(ならないけど)。「減税」を果たし「議員特権を制限」し、あとは二つ三つ飴玉をしゃぶらせておけば、官僚の思うままになるでしょうね。だって、実際、名古屋ですらそうなのだから。ある意味、これほど官僚が扱いやすいタイプも珍しい。
 それに何百人といる国会議員の中から20人の推薦人が集められないという人望のなさも悲しいなぁ。ルールとして20人があるならば、普段から20人程度のシンパを作っておくくらいのことはしておかなければならない。「そういった活動はいやだぎゃ」では通らないのだ。トップを目指すなら、そういった細々としたところにも配慮しながら登って行かなければならない。一足飛びはないのである。

 橋下大阪市長の率いる「大阪維新の会」にも危うさがみられる。そこにすら大きく劣っているミャーミャー新党に、名古屋のオバサンたちは熱狂している。少なくとも一昨日の名古屋公会堂はそんなオバサンばかりだった。
 大丈夫かいな。心底そう思っている。