絶対評価は絶対におかしい

 小中学校の通知表が相対評価から絶対評価に変わって、子どもたちはたいへん迷惑を被っている。絶対評価などと言いながら、その実、内々で5,4,3,2,1の割合が決まっている。その上に出来の悪い教員の主観の入る余地が増えたので、ますます内申点が不透明になった。
 知人の子どもに、学年300人中、常に一桁の順位で、一桁といっても1番を含めた小さい数字ばかりの優秀な少年がいる。主要5科目は言うに及ばず、音楽、図工、技家、体育でものきなみ満点をとって授業態度も真面目なのだが、何故か授業中におとなしいという理由で内申点42を付けられた。消極的だからという極めて主観的な判断で3ポイントも下げられてしまったのである。
 この少年の努力には頭が下がった。低レベルなガキに合わせた学校の授業では物足りないというので、進学塾に通って夜遅くまで勉強をしていた。また体力を落としてはいけないということで勉強の合間に近所をランニングしていた。塾の先生は地元トップ校への進学に太鼓判を押したのだが、中学のボケ教師は絶対評価にも関わらずトップ校へ挑戦しようという真面目な少年から3ポイントを奪い、設問数にして6つもハンディを背負わせたのである。
 絶対評価というシステムが子どもを育むという方向には機能していないのが現状である。総合順位1番の生徒がそこからどう上がっていけばいいのか?現状維持なら評価は3ということか?
 少年は第一志望に落ちた。そして第二志望の遠方の高校に毎日通っているという。努力家の彼は3月中こそ落ち込んでいたが、4月からは気持ちを切り替えて健気にがんばっている。
 優秀で真面目な子どもたちが彼と同じような目にあわないようにボケ教師を監視しなければならない。