おもいでの夏

 中学2年生の男子と性的な関係をもったということで24歳の女性教諭が懲戒免職になった。
http://www.asahi.com/national/update/1225/NGY200812250014.html
 このニュースを読んで、ワシャは「おもいでの夏」という映画を思い出しましたぞ。ニューイングランドの沖合いに浮かぶ小さな島で、15歳の少年が美しい人妻に恋をして大人になっていくというムフフな一夏の物語である。人妻役のジェニファー・オニールが魅力的だったのう。
 年上の女性と少年というシチュエーションでは、ナタリー・ドロンの「個人教授」というのもあった。少年は恋の喜びや哀しみを年上の女性に教示され成長していく。フランシス・レイの甘いメロディにのって初々しいロマンスの物語が紡がれる。

 残念ながら日本では映画のようにはいかなかった。「女性教師のアパート」でというのがいかにもタコにも日本らしい。それにしても、どうして二人の恋が教育委員会にばれたんだろう、と思ったら、伊勢新聞にこんなくだりがあった。
《女性教諭の元交際相手がこうした事実を知り、この元交際相手が十一月末に市教育委員会に届けた。》
 あららら、嫉妬に狂った元彼がちくってしまったのね。元彼は、教育委員会に駆けこむ前に、女性教師を説得し、きれいに別れさせることはできなかったんだろうか。「おもいでの夏」や「個人教授」のように……

 高校3年の6月にこんなことがあった。その日は湿度が高く蒸し暑かった。音楽の授業中、女の先生がワルガキに数名にからかわれて授業ができず泣きそうになっていた。いつもは気にも留めずに校庭を眺めているのだが、その時は、暑かったせいもあって虫の居所が悪かった。
「おまえら、うるせーんだよ!」
 と、その中のリーダーを小突いて黙らせてしまった。それで教室は一気に静かになり、ワシャは落ちついて校庭でやっているサッカーを観戦することができた。
 その日から、その先生のワシャに対する態度が変わった。急にやさしくなったんだ。見下すような色が消え、尊敬の眼差しのようなものが芽生えている。二十代後半のきれいな先生だったなぁ……。
 さすがに高校生のワシャには年齢が上過ぎるのと、ワシャが真面目だったので(笑)間違いは起きなかった。
 でもね、音楽の成績が突然上がったのにはびっくりしたわい。卒業まで音楽だけは突出していい評価を受けた。まともに勉強した覚えはないけれど。