暖かい師走

 12月だというのに、今日は上着がなくても大丈夫なくらい暖かい。異常だ。今夏の夥しい数の台風上陸といい、亜熱帯のような暑さといい、世界的なレベルで気候の変動が始まっている。にも関わらず異常気象を伝えるお天気おねえさんの声音はいつも明るい。もっと危機感を煽るようなトーンで話したらどないやねんな!
 クリスマスが近づいて町のあちこちにイルミネーションが出没している。貧相なものから名古屋駅頭の豪華なイルミネーションまで種種様様だが、間違いなくあの電飾は電気を使っているのではないか。日本は石油輸入国であり資源のほとんどない貧しい国なのである。そのことを大衆は理解しているのだろうか。
 夜間飛行で窓から濃尾平野を見れば、まばゆいばかりの赤い光で被われた都会が見える。それは美しいというよりも地下のマグマが地表ににじんでいるような、もっと言えばかさぶたの切れ目から除く血膿のような光景だった。
 片方で資源を守ろうとか、省エネを推進しようとほざきながらクリスマスの電光飾は季節ものだから大目にみようってか?
 そりゃ絶対におかしい。
 クリスマスの電光飾を始めとする電気の無駄使いがこの夏の気候変動を引き起こした一因であることは間違いない。