内閣改造

 政治家はすごいことになっている。
 今回の第2次小泉連立改造内閣のメンバー18人中、いわゆる2世議員が11人もいるのである。割合にして60%になる。前回の内閣では2世議員が10人だったから、1人増になった。世襲議員以外は、民間登用から入閣し、その後、議員になった竹中氏、元キャスターの小池氏と元看護婦の南野氏は色物登板、伊藤氏は松下政経塾出身、尾辻氏は防衛大中退、東大中退、ルポライターなどという異色の経歴を持つ参議院枠で、こういった明らかに違うでしょ、という人物を外せばみんな世襲議員なのである。唯一、中山成彬氏がオーソドックスな政治家で、世襲でない議員なのだが、それでも奥様が内閣官房参与中山恭子氏であり、まったくの無味無臭かといえば必ずしもそうではない。自民党世襲議員の割合(衆議院)が51%からみても、内閣の割合の高さが理解できよう。
 これほど世襲の割合の高い業界はなかなかない。例えば歌舞伎だが、世襲といえば歌舞伎というほど世襲色の強い世界だが、豈図らんや、歌舞伎を背負っている多くの大部屋役者は世襲ではないので、割合からいえば50%を切ってしまう。それに世襲した梨園の御曹司も芸がすべての世界だから、実力がないと客から「大根!」となじられ馬鹿にされてしまう。
 その点、政治家の世襲はいいねぇ。芸はなくとも(腹芸はあるかも)目の前に客がいないから、野次は飛ばないし(仲間のバカから野次られることはある)、何もしなくても(悪いことをしても)地元の利権がらみの後援者からは「よっしゃよっしゃ」と奉られてふんぞり返っているだけで名誉も地位も金もみーんなついてまわるんだから言うことはない。三日やったら辞められないはずだ。
 世襲の懸念はひとまず置いて、取敢えずはこの小泉シンパ内閣で政局を乗り切ることになる。
 日本を誇りのもてる国家に導いておくれよ、お坊ちゃんたち。(結果、拘っている〈自嘲〉)