安倍改造内閣概観

 麻生財務大臣、菅官房長官が留任。河野太郎外務大臣防衛大臣に横滑りした。これはすごい。タフネゴシエーターの河野大臣は、支那、朝鮮には大きな目の上のたんこぶになるでしょうね。

 高市総務大臣、茂木外務大臣、萩生田文部科学大臣、加藤厚生労働大臣あたりは、安倍さんが頼りにしている有能なメンバーである。河井法務大臣もモノがいいと評判の人だ(モノ悪かったです/後日追記)。衛藤1億総活躍大臣もしっかりとした政治信条を持っている。西村経済再生大臣、菅原経済産業大臣も手堅いところだろう。橋本五輪大臣は、数日前に名古屋で森喜朗元首相が言っていたとおりになった。

 橋本五輪大臣、聖子の「聖」は聖火の「聖」、五輪と言えば橋本聖子ってことでしょうね。橋本大臣、小池都知事とガチンコでお願いします(笑)。

 けっこう年齢がいっていて、期数もずいぶんと重ねていて、それで初入閣という方が何人かいる。いつの内閣改造にも見られる在庫一斉処分大臣である。派閥からの推薦で、安倍さんとしても支持を得るためにはある程度呑まざるを得ない。

 今回の内閣改造がどうのということではなく、桜田五輪大臣とか江崎沖縄及び北方対策大臣など、政治的にはなんの個性も持っていない普通の爺さんが時々紛れ込む。地元の支援者の前で軽口を叩いているので、しゃべることには慣れていると本人は思っている。実は下手なんだけど、そのことに気が付いていないので、ついリップサービスで口が滑る。たいていこういった派閥推薦議員は、年齢・期数を重ねた陣笠に多い。

 それを当てはめてみると、今回は田中復興大臣(8期・70歳)、竹本科学技術大臣(8期・78歳)、北村地方創生大臣(7期・72歳)が該当する。7期、8期まで大臣をやっていないというのは、かなり凡庸な人物であることは否めない。とはいえ、政権の足を引っ張らないように頑張ってもらいたい。ちなみに田中大臣が麻生派で、その他のお二人は岸田派である。取りあえず無任所大臣とはいえ、これでお三方とも「旭日大綬章」が決定なので、取りあえず故郷に錦を飾れた。おめでとう。

 しかし、小泉環境大臣が(4期・38歳)と比較すれば、永田町の人事の厳しさが覗えるというもの。地元に帰れば「先生様」なのだが、中央ではなかなか評価されないものなんですね。

 

 少し切り口を変えて、今回の改造内閣の「世襲議員」を拾ってみますね。

 安倍首相はもちろんバリバリの世襲議員、父(安倍晋太郎)、祖父(岸信介)、大叔父(佐藤栄作)が、どの人物も大政治家である。さらに安倍系をさかのぼれば、高祖父が山口県の初代県議会議員というから、政界きってのサラブレッドと言っていい。麻生財務大臣吉田茂の孫で、麻生多賀吉の息子という血脈も金看板である。河野外務大臣だって、祖父、父と三代続く政治家の名家と言っていい。義父が大物政治家だった加藤勝信議員、父が曲者政治家だった江藤議員も世襲、小泉大臣も曾祖父、祖父、父と四代にわたる世襲である。やはり令和の時代に入っても世襲は重要な出世のファクターなのだ。でなければ、菅官房長官のように切れ者しか中央政界では偉くなっていかないということらしい。

 でも、世襲議員に安定感があることも確かだ。既婚者なのにハワイで重婚してしまった中川某という世襲もいるけれど、やはりもう少し世襲の人々に助けられながら、日本国を誘導していくことになるのかなぁ。ある意味で、江戸の封建制度をそのまま引きずっているような気がしないでもないが、伝統的ということであれば、それほど嫌でもない。