話下手の話好き(政治家に多いよね)

 昨日、名古屋の西にある佐屋という町で愛知県消防操法大会(消防団員の技術力競争大会)が開催された。おらが町の消防団も出ていたので、ドライブがてらのぞきにいった。操法(消防ホースを延長しての擬似消火活動)自体は、この練習に2ヶ月余も費やしてきたらしく、どのチームもお上手だった。暇といえば暇、青春といえば青春、あちこちで激励が飛び、感動の涙がこぼれた。
 それはよかったのだが、感動のあまりか、段取りの悪さからか、大会スケジュールは主催者側の目論みを大きく外して1時間ほど遅れていた。参加自治体は県下全域から集まっているのである。遠方から来ているチームもあるのだが、にもかかわらず、閉会式を切り詰めることもせず当初の予定どおりだらだらと進められた。
同一チーム3本の優勝旗(多すぎないかい?)の手渡しと、メダルの授与だ。これもいいかげん冗漫だったが、極めつけは県消防協会副会長、県議会副議長、地元選出県議らの挨拶、地元の町議だか村議の「万歳三唱」に「火の用心三唱」、時間がないにもかかわらず、それぞれのおっさんが準備してきたとおりの「ありがた〜いお話」をたっぷりとされるから、時間はどんどん浪費されて、かわいそうに設楽チームが自宅に帰りつくのは午後9時を回ってしまったのではないだろうか。
 見ず知らずのおっさんたちの話を聞く消防団員たちは競技で疲れきっているんだ。国だろうが地方だろうが、政治家たるもの、状況を敏感に察知して、
「本日は皆さん、お疲れ様でした。時間がないので挨拶はこれだけです。終わり!」というくらい簡潔な挨拶をしてみろよ。
 なんだかしらないが奴らは、「壇上にあがったらしゃべらにゃ損損」とでも思っているのか、ここぞとばかりに下手な話術で、型どおりの無味乾燥な話を展開する。セレモニーとはいえ味噌が腐りそうな話を延々聞かされる消防団員たちに思わず同情してしまった。依然として日本全国でこんなくだらないセレモニーが繰り広げられているんだろうね。
 もう一つ腑に落ちないことがあった。表彰の中に愛知県知事賞と愛知県消防協会長賞というものがあった。愛知県知事は神田さんという当たり障りのない人物である。愛知県消防協会長というのも神田さんという特徴のない人物だった。つまり消防協会長という職は県知事の兼務だった。なら賞状がかぶってじゃん。どうでもいいことだけど・・・