久しぶりに森喜朗

 昨日のテレビで面白い映像があった。森喜朗前首相である。
 ゴルフ場で亀井静香さんや中川秀直さんたちとゴルフ会談をしたところ、不調に終わったのかゴルフ場の玄関先で待ちうける取材人に対して「下がれ、下がれ(下郎ども)」と、大声で恫喝していた。時代錯誤も甚だしいこの男が前の首相か、と思うと情けなくなる。そしてこんな男が、政界のフィクサー然として国政(といってもたかが自民党の人事についてだが)を論じるとは、21世紀になったばかりだが世も末だ。田中角栄とか竹下登とは、この男「モノ」が違うのである。愚物が船頭に憑けば、国は必ず滅ぶ。あな恐ろし。
 政治家の失言は多い。吉田茂鳩山一郎岸信介池田勇人中曽根康弘・・・それは職業上、やむを得ないという面を多く持っているのだが、森喜朗は別格なのだ。場の空気が読めない。浅薄な知識をひけらかす。で、間違ったことを言ってしまう。言い出したことに固執する。地方の市会議員にごろごろいそうなタイプである。こんな男が国政の場で、のうのうとしていられるというのが日本の政治の限界のような気がする。
 アメリカのマスコミは小渕首相の次に森喜朗をまったく考えていなかった。当然であるし、その見識は正しい。ところが小渕首相は急逝すると、このとぼけた男が位人臣を極めてしまった。歴代総理の恥といってもいい。
 バカの迷言をひとつ。
「大阪人は金儲けばかりに走り、公共心も、選挙への関心もなくした。低俗な風俗産業も必ず大阪から生まれるなど眉をひそめることが多すぎるし、大阪人には道を作るにも公共利用の土地を提供する気持ちがない。言葉は悪いが、たんつぼだ」
 司馬さんがこよなく愛した大阪をよりによってたんつぼ呼ばわりするとは、バカもここまで極まれば芸術的バカである。言っていることに何ら根拠がないばかりでなく、品がない。町会議員が町のスナックで放言しているのとは違うんだぞ。
 石川2区の114,541人の県民はもう一度、自分たちの代表として本当に大丈夫なのかということを再確認したほうがいい。でなければ、石川県の2区は潤うかもしれないが、日本は潰れてしまう。そろそろ目先の利益より国益を考える時になったのではないか。