昨日、岐阜県美濃加茂市へいった。それは「みのかも文化の森」の「市民ミュージアム」で奇怪な集団がそれぞれのコレクションを持ち寄って展示会をしていることを聞きつけたからである。
企画展の名は「まちの観察日記」という。
展示室に入ってびっくりした。壊れたライターだの首の取れたソフビ人形だの潰れて錆びた空き缶だのが額に納まって飾られているのである(一般的な概念ではそれらを「ゴミ」と呼ぶ)。その他にもポストの写真ばっかり並べてあったり、戸袋に小さな穴を無数に開けてその穴からのぞくとスライドが見えるとか、なんだか妙な展示物が所狭しと陳列されている。
この企画の主催は名古屋にある野外活動研究会という団体で、日常生活の中にあるものならなんでも観察してしまおうという一風変わった活動を至極真面目に取り組んでいる人々の集まりである。展示物は異様だがそれぞれの展示者はごく普通の人々だ(と思えないところもある)。
この集団のリーダーであるO氏は、白髪の真摯でどことなく飄然とした風貌をお持ちだ。「路上観察はどういう風にすればいいんでしょうか?」という質問に「適当でいいんですよ」と答えられた。正確も飄々としておられる。
台風一過の午後、妙な空間でほのぼのとした一時を過ごした。